2013 Fiscal Year Research-status Report
高分解能磁気イメージング法の開発と界面科学への応用
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25870428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木村 建次郎 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10437246)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再構成 / 磁気映像化 / サブサーフェスイメージング / 蓄電池 / 半導体デバイス / 非破壊検査 |
Research Abstract |
25年度の研究計画では、磁気映像化法において、磁気検出器のサイズを上回る空間分解能を達成することが可能な再構成理論の開発とそのソフトウェア化を達成することを目標として設定していた。物質界面の電場もしくは磁場の空間分布を計測することは、電池や半導体デバイスの動作メカニズムを理解する上で不可欠であるが、物質中に埋もれた界面の情報を顕微鏡画像として取り出すことは、顕微鏡学の発展の歴史の中で、難解な課題として認識されてきた。MRIやX線CT等の、マクロな物体に対する断層映像化法をスケールダウンする取り組みは、測定対象物を微細な薄片に加工することが必要となり、複合性の高いヘテロ構造を有するデバイス程、適用が困難であった。本研究では、その制約のない、サブサーフェスイメージング法の一つである磁気映像化法の高分解能化を実現することを目的とし、本年度は、磁気検出器の空間分解能を大幅に上回る映像を再構成するソフトウェアの開発を終了した。本ソフトウェアは、用いた磁気検出器の最小寸法で決まる空間分解能を達成すると同時に、自由空間における静磁場の基礎方程式を解き、埋もれた界面に流れる電流を、非破壊で映像化することができる。再構成に必要なデータを磁気検出器にて測定後、例えば、128×128画素の磁気画像を再構成するのに要した時間は、1秒以内であった。LSI配線電流や磁性体の微粒子が埋もれた状態を想定したシミュレーションを各種行い、再構成することに成功した。本研究は、Integral Geometry Instruments社 木村憲明 博士との共同のもとで行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
世界的にも前例のない積分幾何学的再構成理論に基づく、ソフトウェアの開発を完了したことは重要な進歩であった。磁場の空間分布の測定に限らず、電場や温度分布など、その適用範囲は広く、空間分布の計測に用いた検出器の最小寸法で決定する空間分解能画像を得ることが可能である。現状では、デカルト座標系の問題を取り扱っているが、今後、自由曲面の問題に適用可能な理論に発展させ、生体画像計測への応用を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、25年度に開発したソフトウェアの入力データを取得するためのハードウェアを試作し、ナノスケールの画像を取得することを目標とする。磁気検出器の回転や並進走査を高い精度で行うための制御システムを構築し、最終的には、太陽電池や蓄電池、半導体デバイスに応用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に使用する消耗品の費用を確保するため物品費を抑えた結果、次年度使用額が生じた。 平成26年度は25年度に開発したソフトウェアに入力するデータを取得するハードウェアを作製する。25年度に残った数万円の予算は、ハードウェアの治具費用に充てる。
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Research Products
(9 results)