2014 Fiscal Year Research-status Report
汽水性希少カニ類における遺伝的多様性の経時変化とカタストロフィの影響評価
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25870431
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
川根 昌子 奈良女子大学, 共生科学研究センター, 非常勤研究員 (80644856)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロサテライトマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2014年5月‐同12月まで、育児休暇を取得していた。 復帰後、主に「優良マイクロサテライト(MS)マーカーの開発と選定」について作業を進めた。カワスナガニ用MSマーカーを25プライマーペア、タイワンヒライソモドキ用MSマーカーを22プライマーペア作成し、それぞれ適切なPCR条件を決定し、増幅を試みた。その結果、カワスナガニでは13プライマーペアで増幅が確認され、その中から10ペアを選出し、蛍光プライマーを作成した。これらのうち5ペアについて、数地点のカワスナガニサンプルを用いて解析したところ、単一のアリルしか検出されず、集団解析に足るものではないことが明らかとなった。 カワスナガニのマーカー開発に加え、タイワンヒライソモドキ用プライマーの適切なPCR条件の検索等を今後進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
育児休暇を取得したため、当該年度の作業量は少ない。しかし、期間の延長に伴い変更した計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
◆優良MSマーカーの開発と選定:次世代シーケンサーにより決定されたカワスナガニの塩基配列から作成したMS用プライマーペアで一部集団解析を行ったところ、多型がみられなかった。よって、MSマーカーの開発、選定を追加で行う。また、タイワンヒライソモドキについても同作業を進める。適切なマーカーが得られ次第、解析を行い、地域集団間にどの程度遺伝的交流がみられるかを明らかにする。 ◆結果のまとめと発表:得られた結果から、汽水性希少カニ類において、分断化された地域集団で遺伝的多様性が維持されているか、また、大洪水はこれらの地域集団に何らかの影響を及ぼすのかを明らかにする。成果は順次、学術論文としてまとめ、学会等で発表する。
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Causes of Carryover |
2014年度の育児休暇取得に伴い、研究期間を1年延長したことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に消耗品、英文校閲や論文投稿費等に使用。
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