2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25870433
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
井口 高志 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (40432025)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 認知症ケア / 映像アーカイブス / 臨床社会学 / 地域 / 語り |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の2年目は、昨年度までで得たデータの整理・分析を行いながら、本格的な調査に入っていくことが課題であった。その目標設定に基づき、新しい認知症ケアの取り組みを行っている団体の活動の新たな取り組みに実践的に関わりつつ、フィールド記録をつけていくアクションリサーチ的な活動に着手した。 昨年度までのデータの整理・分析の成果としては、2014年7月に認知症ケア概念の歴史的変遷の分析を、ISA(International Sociological Association)のworld congressで"How New Is the Image of Those with Dementia in 21st Century in Japan? an Analysis of TV Documentary Programs in the NHK Data Archives."というタイトルで報告した。 また、同時に、平成26年度の後半には、これまでのフィールドワークの成果の途中経過として、『N:ナラティヴとケア』での「臨床社会学」の特集に「認知症の人の「思い」と支援実践:語りと現実との関係から問い直す臨床社会学」を、また『現代思想』の「認知症新時代」という特集に「「できること」の場を広げる:若年認知症と折り合いをつける実践の展開が示唆するもの」を発表した。こうした学術論文の発表と共に、新聞やラジオ、介護職への講演会の形で現場に研究成果をフィードバックする活動も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は調査には着手したものの、当初の計画の半分である若年認知症の人への支援の場へのフィールドワークにとどまっており、当初計画した宅老所など、いわゆる重度や高齢の人たちへの支援の場への調査に踏み出せていない。若干の計画の修正も視野に入れつつ、次年度はより本格的に調査を進めていくことが重要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現場からのフィードバックを受けつつ進んでいく調査研究でもあるので、必ずしも当初計画していた通りに進んでいくわけではない。平成26年度末に、フィールドワークをしている団体において一つの問題提起を受けて、そこで蓄積している歴史的データをもとに分析して報告することとなった。そうした調査を進めていく上で得られる機会を生かして、柔軟にデータの内容や、分析の方向性を検討し直しつつ、次年度以降は進めていきたい。
|