2013 Fiscal Year Research-status Report
H5亜型インフルエンザウイルスのニワトリに対する病原性獲得メカニズムの解明
Project/Area Number |
25870443
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
曽田 公輔 鳥取大学, 農学部, 講師 (00582983)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ウイルス / インフルエンザ / H5亜型 / 病原性 / ニワトリ |
Research Abstract |
H5亜型インフルエンザウイルスによる高病原性鳥インフルエンザが世界各国の家禽で発生し、経済的に大きな被害を及ぼしている。台湾では現在に至るまで、病原性の高い、または低いH5N2ウイルスによる鳥インフルエンザが断続的に発生しており、その病原性の多様性から防疫を困難にしている。 本研究では現在台湾でニワトリに対する病原性を獲得しつつあるH5N2ウイルスを材料として、ニワトリにさらに高い病原性を示す上で必要なウイルス側の因子を検索し、ウイルス蛋白への機能に及ぼす影響について検討することで、防疫対策を講じていく上で有用な情報を得ることを目的としている。 平成25年度までに、ニワトリに対する病原性に関与すると考えられる8箇所のアミノ酸の同定が完了している。いずれのアミノ酸がウイルスの病原性獲得に大きく寄与しているかを同定するためには、任意でアミノ酸変異を導入することを可能とするリバースジェネティクス(人工的にウイルスを作出する技術)の系を材料ウイルスについて確立することが必要である。A型インフルエンザウイルスは8つの遺伝子分節を有しており、材料のH5N2ウイルスの各遺伝子分節の蛋白発現プラスミドへのクローニングをすでに完了した。 今後は様々なアミノ酸変異を有するミュータントウイルスを作出し、それらのニワトリに対する病原性から、ウイルスの病原性獲得に与るアミノ酸を同定する予定である。さらに同定したアミノ酸がウイルスの性状をどのように変化させているかも合わせて検討を行っていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では平成25年度中に材料となるH5N2ウイルスのリバースジェネティクス系の確立と変異ウイルスの作出までを予定していたが、現状リバースジェネティクス系の材料となるプラスミドの作成までにとどまっており、人工的ウイルス作出はすでに数回試みているが未だ成功していない。 作製したプラスミドのいずれかに問題が包含されていることが原因として考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
早急に作製したプラスミドの問題点を明らかにし、必要に応じてプラスミドを再度作製し、材料ウイルスの人工作出を達成する必要がある。本課題をクリアすれば、変異ウイルス作出およびそのニワトリに対する病原性の検討まで速やかに結果を得ることが可能と考えられる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度中に行う予定であったミュータントウイルスの作製について遅れが生じており、当該実験に用いる予定であった試薬の購入に至らなかったため。 材料ウイルスの人工作出の系を完了した後に、アミノ酸変異を導入するための試薬が必要となるため、その購入に充てる予定である。
|