2014 Fiscal Year Annual Research Report
ランニングに対する意識の違いと環境が運動効果に及ぼす影響について
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25870445
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
関 耕二 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (30508007)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 持久走 / 児童・生徒 / 横断的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,成人のランニング実践者は増加しているが,児童・生徒においては「持久走」を嫌う者が多いことが報告されている.これまで小学生において持久走に対する意識へ体力及び運動習慣が影響を及ぼすことが報告されているが,中学生以降については不明なままである.そこで,本研究は,児童・生徒の持久走に対する意識変容の過程とその特性を明らかにすることを目的とした. 鳥取県東部の小学校5校,中学校3校,高校1校の計9校の児童・生徒(男子1684名,女子1783名,計3467名)を対象として,持久走に対する好嫌意識やイメージに関する調査と体力及び生活習慣調査を実施した. その結果,小学校低学年では持久走に好意的な意識を示す割合が高かったが,徐々に減少し,小学校高学年以降は否定的な意識を示す割合が高かった.また,持久走の「きつさ」を示す主観的な運動強度においては小学校低学年から高学年までは学年進行に伴って増加するが,中学校期から明らかな変化は示さなかった.さらに,ほぼ全学年で持久走に好意的な児童・生徒は,否定的な児童・生徒に比べて持久走に対する主観的な運動強度が有意に低値を示した。一方,持久走に対する好嫌意識にかかわらず,児童・生徒の多くは持久走のイメージに近い運動として小学校低学年では「マラソン」、小学校高学年以降では「長距離走」及び「マラソン」を選択する傾向であり,「持久走」を競走や「速く走る」運動ととらえていることが伺えた.体力や生活習慣については,これまでの報告と同様に全身持久力を中心とする体力や運動習慣が持久走に対する好嫌意識へ影響することが明らかとなった. 今後は,本研究で明らかとなったそれぞれ発達段階における「持久走好き」や「持久走嫌い」の子どもの特性を考慮した指導プログラムの開発や,運動環境との関連について検討する予定である.
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