2014 Fiscal Year Annual Research Report
肺線維症において骨髄に保存される傷害記憶システムの解明
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25870463
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中島 拓 広島大学, 大学病院, 病院助教 (90643792)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 線維化 / 骨髄移植 / 肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
「傷害記憶システム」を保持する細胞の同定のため,ブレオマイシン肺線維症群 (BLM)あるいはコントロール群 (SAL)より骨髄細胞を採取し,樹状細胞 (DC)への分化誘導を行ったのち,CD11c陽性分画を採取してそれぞれ.BLM-BMDC,SAL-BMDCとした.BLMまたはSALより得られたマウス肺線維芽細胞とBLM-BMDC,SAL-BMDCとの共培養を行い,線維芽細胞の増殖およびmRNA発現を確認した.さらにBLM-BMDC,SAL-BMDCをブレオマイシン肺線維症モデルのマウス気管内に移入し,線維化に与える影響を検討した.結果としてBLM-BMDC,SAL-BMDC共にマウス肺線維芽細胞と共培養することで,線維芽細胞増殖およびmRNA (αSMA, procollagen I)発現を促進した.ブレオマイシン肺線維症モデルのマウス気管内に移入したところSAL-BMDCと比較してBLM-BMDC移入群では有意に線維化を増強した.以上の知見からブレオマイシン投与により肺線維症を起こした個体において,既に我々が報告している線維化肺に遊走した細胞のみでなく,骨髄に留まっている細胞群にも線維化を増強させるメカニズムが観察され,「傷害記憶システム」を保持する細胞が骨髄単球系細胞であることを明確にした.これらの細胞を制御することで肺線維症自体を改善できる可能性があり,今後臨床応用への一歩が開けたものと考える.
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Research Products
(6 results)