2015 Fiscal Year Annual Research Report
過酸化水素・オゾンの非残留性に着目した金属の高度分離・回収・精製法の創成
Project/Area Number |
25870473
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
薮谷 智規 愛媛大学, 紙産業イノベーションセンター, 教授 (80335786)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レアメタル / ペルオキシ化合物 / 過酸化水素 / 鉄鋼 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄鋼試料からレアメタル成分を分離する条件について検討した。H26年度の成果で報告したように、過酢酸は鉄鋼、特に高速度鋼などの非クロムメッキ鉄鋼試料の溶解に効果を発揮する。その過酢酸溶解液は鉄、ニッケルなどを高濃度に含む。これらの主成分と対象のレアメタル成分を一斉分離する方法として、試料中に含まれる鉄を利用した共沈分離法を適用した。本方法は、溶液にアルカリを添加するのみのきわめて簡易な方法である。鉄鋼を構成する主成分の鉄、コバルト、マンガンなどは難溶性の水酸化物を形成しやすく、一方モリブデンやタングステンは塩基性域ではオキソアニオンを形成し水溶性が高くなる。この現象を利用することで一斉分離が可能となるものと着想した。 過酢酸溶解液に水酸化ナトリウムを添加しろ過して沈殿相と溶液相を分離した。それぞれの相について誘導結合プラズマ質量分析法による元素分析を行った。その結果、鉄、クロム、コバルト、マンガンなどが沈殿相に98%を超える移行率を示した。一方、モリブデン、タングステン、バナジウムは溶液相に90%以上の定量的な残存を示した。外部から特に共沈担体を加えることなく、容易に分離できる方法としての可能性を示した。 本年度は、過酢酸による鉄鋼の溶解に関する査読付き論文1編が発行された。学会発表については、国際(招待)1件、国内1件を行った。
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