2015 Fiscal Year Research-status Report
東アフリカにおける非自発的移民のネットワークと新たな地域開発
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25870482
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内藤 直樹 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (70467421)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 難民 / メディア / アフリカ / 難民受入政策 / ホスト-ゲスト / 地域統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度と26年度にウガンダのキリャンドンゴ難民キャンプで実施したスーダン出身の長期化難民を対象にした調査成果を集約した。南スーダンは2011年7月に独立を果たし、難民の帰還プログラムも進んでいるにもかかわらず、ウガンダ中西部に位置するキリャンドンゴ難民キャンプには、あえて難民状態にとどまり続ける人びとが数千人存在していた。東アフリカにおける主要な難民受入国であるケニア・ウガンダ・タンザニアにおける難民受入制度は大きく異なる。現在のウガンダは、難民に移動・就労・教育等の自由を認めている。現在も難民キャンプで生活することを選択した人びとの多くは、南スーダン南部出身者であり、難民キャンプ周辺のホスト社会と言語・文化的な類似性が高い。だが、たとえば本研究が対象とするケニア東部のダダーブ難民キャンプにおいても、ホストと難民は同じ民族であるが、両者の間には緊張関係が存在する。それゆえ、難民とホストの間の言語・文化的な類似性の高さと両者の緊張関係の強さは必ずしも相関しない。難民とホスト間の言語・文化的な類似性が高い場合において、両者の関係性を決定する要因がどこにあるのかについて検討を進めている。 しかしながら、平成25年12月に南スーダン国でクーデター未遂が発生し、調査対象地に新たな難民が流入してきたために、状況は大きく転換しつつある。今後はオールドカマーとニューカマーの難民が新たな共生関係を構築するプロセスに焦点をあてる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度と26年度にウガンダ国のキリャンドンゴ難民キャンプで実施した長期化難民の生活状況に関する調査成果を集約した。南スーダンは2011年7月に独立を果たし、難民の帰還プログラムも進んでいるにもかかわらず、あえて難民状態にとどまる人びとの生括戦略に焦点をあてている。しかしながら平成25年12月に南スーダン国でクーデター未遂が発生し、調査対象地に新たな難民が流入してきたために、状況は大きく転換しつつある。今後はオールドカマーとニューカマーの難民が新たな共生関係を構築するプロセスに焦点をあてる。 南スーダンでの混乱に加えて、平成27年4月にケニア東部で大規模なテロ事件が発生するなど現地の治安が悪化し、予定していた地域での現地調査ならびに現地でのワークショップ開催が困難となった。そこで今年度の現地調査は見送り、本事業の事業期間延長承認申請をおこない、受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
南スーダンやケニア東部の治安回復を見込み、平成28年8月に現地調査とワークショップを実施する予定である。なお、政情や治安が回復しない場合には、ウガンダあるいはナイロビ(ケニア)にて代替調査とワークショップの開催をおこなう。
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Causes of Carryover |
平成25年12月に南スーダン国でクーデター未遂、平成27年4月にケニア東部で大規模なテロ事件が発生するなど現地の治安が悪化し、現地調査ならびに現地ワークショップの開催が困難になった。このため、南スーダンでの治安回復を見込んで、平成28年8月に現地調査とワークショップを実施することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年8月に南スーダンあるいは東アフリカの主要な難民受入国を対象にした現地調査とワークショップを実施する。
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Research Products
(5 results)