2014 Fiscal Year Research-status Report
多次元プロテオミクスを利用した染色体分配を司る新規因子の発見とその機能解析
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25870487
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
太田 信哉 高知大学, 教育研究部医療学系, 特任助教 (00631194)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 染色体 / 分裂期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、分裂期染色体の凝縮や分配機構に関わる新規のタンパク質を同定することである。この目的を達成するために、近年普及した定量的なプロテオーム解析をさらに改良し、複数の定量値を統計学的に組み合わせた手法、多次元プロテオミクスにおいて、分裂期染色体タンパク質と予測された機能未知タンパク質の分裂期細胞内での局在を決定する。 前年度に、多次元プロテオミクスを元に候補となるOrfのクローニングを約60個ほど終えた。本年度は、クローニングしたすべての機能未知タンパク質の局在決定をGFP融合タンパク質の形で行った。結果、複数の分裂期染色体結合タンパク質、分裂期スピンドル結合タンパク質を見いだした。その中に、分裂期染色体に興味深い局在を示す3つのタンパク質と、過剰発現することで興味深い表現系を示す1つのタンパク質を見出した。後者についてはその機能解析を終えることができた。したがって次年度に前者3つのタンパク質の分裂期染色体における機能解析に研究の焦点を絞る。 見いだした新規染色体タンパク質は、どのような機構を制御しているのか、あるいはどのようなタンパク質と相互作用を持っているのか、全く分かっていない。従って、分裂期染色体上の機構に関わるタンパク質である可能性もあり、機能活性を明らかにすることで分裂期研究の分野に貢献できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、クローニングを終えたすべての遺伝子産物の局在解析を終了することができた。 その結果、4つの新規機能性タンパク質を見出し、うち一つについてはその機能解析を終わらせることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
見出した3つのタンパク質の機能解析を順次行う。 そのために、ノックアウト株の樹立と抗体の作成をまずは行う。
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Causes of Carryover |
当初予定した遺伝子のクローニングをすべて終了する前に、期待以上に複数の新規染色体タンパク質を見出したため、研究計画の予定を繰り上げてそれらのタンパク質の機能解析に移行したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
期待以上の新規タンパク質を見出したので、次年度に、見いだしたタンパク質のノックアウト細胞を樹立を効率的に行うため技術補佐員を1名雇用する。
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