2013 Fiscal Year Research-status Report
大規模震災時の広域避難に向けた沿岸都市部と農村の事前連携に関する研究
Project/Area Number |
25870491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
大槻 知史 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (40399077)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 疎開 / アクションリサーチ / 広域連携 / 域内連携 / 地域活性化 / 南海トラフ地震 / 「いつも」と「もしも」の連携 / 黒潮町 |
Research Abstract |
本年度は、沿岸都市部と農村部の事前連携のモデル設計の第一段階として、住民及び行政における「災害時の疎開」「疎開に向けた事前交流」についての受容性及び政策実施に向けた環境を把握した。その上で、高知県黒潮町において、沿岸部・農村部連携のアクションリサーチを開始した。 具体的には、まず、高知県南海地震対策課等へのヒアリング調査を踏まえ、高知県における沿岸部と農村部の事前連携の検討状況を整理した。結果、1)政策実施環境としては、同一市町村内の連携(域内連携)が優先であること、2)域内連携・広域連携共に、将来的な県・市町村の政策展開につながるモデルケースの構築が必要であること、が明らかとなった。 上記を踏まえ、黒潮町の蜷川流域(沿岸部:上川口地区、農村部:蜷川地区)において、グループインタビューを踏まえて、両地区住民有志との協働により、両地区の事前連携に向けたロードマップ案を開発した。来年度は、上記をたたき台にワークショップ等を通じた、ロードマップの精緻化と両地区の住民全体での共有を図る予定である。 また、広域連携については、都市部との交流が盛んである香美市平山地区を事例に、都市からの避難者受入の受容性と地域の交流資源を活用した地域活性化と避難者受入をつなぐ村おこしの可能性を検討し、事前連携の仕組みとして、廃校交流施設を活用しつつ、定期借地権を活用した「滞住」モデルの提示を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
住民、行政へのヒアリングを通じて、事前連携のモデル設計の第一段階である住民及び行政における受容性及び政策実施に向けた環境の把握を達成できた。 また、黒潮町において、沿岸部・農村部の事前連携モデルを実際にデザインするためのアクションリサーチを開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
住民の受容性調査については、定量調査等を用いながら「災害時の疎開」「疎開に向けた事前交流」に対する沿岸都市部住民、農村住民の受容性を、より詳細に明らかにする予定である。 また、アクションリサーチにおいては、本年度提示したロードマップ案をたたき台にワークショップ等を通じたロードマップの精緻化と両地区の住民全体での共有を図る予定である。 また、ワークショップを通じて、過去に存在した両地区の住民交流を復活させるための連携活動の設計、実施も行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度、「災害時の疎開」「疎開に向けた事前交流」に対する沿岸都市部住民、農村住民の受容性調査を実施予定であったが、行政等への事前ヒアリングを優先するべきとの判断により、翌年に繰り越したため。 本年度、「災害時の疎開」「疎開に向けた事前交流」に対する沿岸都市部住民、農村住民の受容性調査の実施費用として使用予定である。
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Research Products
(3 results)