2013 Fiscal Year Research-status Report
脂肪由来間葉系幹細胞のサイトカイン機能解析と効率的な脳梗塞再生治療法の開発
Project/Area Number |
25870502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古田 興之介 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60546571)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脂肪由来間葉系幹細胞 / 脳梗塞再生医療 |
Research Abstract |
(1)マウスの脳梗塞モデルの確立 20-25gの雄マウスを2%イソフルレンで吸入麻酔し、マウスを腹臥位にして頭蓋骨を露出。レーザードップラー血流計(FLO-C1、OMEGAWAVE社製)の血流測定用プローブを右中大脳動脈(MCA)支配領域に接着剤にて固定。次にマウスを仰臥位として、前頸部を正中切開し、頸動脈を露出。右総頸動脈を一時的に遮断し右外頸動脈(ECA)を結紮の上切開し、silicon coated monofilaments (602056PK10、栓子径200μm、全長20mm、Doccol社製) を挿入。右内頸動脈の末梢側へと進め、右MCAを閉塞。MCA閉塞はレーザードップラー血流計での血流信号の低下によって確認した。MCA閉塞から2時間後に再度麻酔下に再開創しfilamentを除去して急性期脳梗塞(MCA 2時間閉塞)モデルを作成した。梗塞巣の評価には、2,3,5-triphenyltetrazolium chloreide (TTC)染色を用いた。脳梗塞作成から24時間後にイソフルレン吸入にて深麻酔後に頸椎脱臼で安楽死させ、脳を切り出し、マウス用のブレインスライサーにて1mm間隔の冠状断の脳切片を作成、1% TTC溶液中に37℃、20分間静置する。染色された脳標本をデジタルカメラにて撮影し、画像処理ソフトウエアを用いて梗塞体積を評価した。以上の手技を熟練した。 (2)脂肪由来間葉系幹細胞(AD-MSC)の分離培養 正常マウスを安楽死後にアルコールに浸し、腹部切開し、両鼠径上部の脂肪を切り出した。洗浄、破砕後に酵素処理を行い、600G、5分間室温で遠心分離した。脂肪成分、上清を除去して間質細胞群を得た。さらにマイクロフィルター濾過と遠心分離を繰り返して脂肪由来の間質細胞群を得た。これを培養して間葉系幹細胞と思われる細胞群を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまで使用していたラットと異なり、マウスでは手技が細かく手術時間を要したことなどから脳梗塞マウスがすぐに死亡することが多く研究が進まなかった。 脳梗塞マウスからのAD-MSC 分離培養はようやく現在進行中である。 またセルソーターの機器の納入が予定より遅れたこと、機種変更に伴い取扱いに不慣れなことから、セルソーターによる分離培養法は今後行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ようやく脳梗塞マウスの生存率が高まったので、今後は当初の予定通り、研究を推進していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の遅れにより、サイトカインを網羅的に調べる試薬などの購入を控えたため、次年度に持ち越すことになった。 研究の遅れの原因が解決したため、早急に予定していた試薬を発注購入する予定である。
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