2013 Fiscal Year Research-status Report
肥満・耐糖能異常を合併したアルコール性肝障害におけるALDH2遺伝子多型の影響
Project/Area Number |
25870515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 講師 (10330979)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ALDH2 / エタノール / 血清ALT / 酸化ストレス / 肝 / CYP2E1 / ヘムオキシゲナーゼ / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
2013年8月までに保存受精卵から生体復元したAldh2ノックアウトマウスを得、動物飼育を開始、遺伝子検査法等の立ち上げを行ったうえ予備検討を行っている。 Aldh2ノックアウトマウスと野生型マウス、ヘテロザイゴートにエタノールを投与し、血清ALT値、体重をモニターしながら寿命を観察したところ、濃度依存的にAldh2ノックアウトマウスの寿命のみが短縮し、血清ALT値は低下した。観察開始時の体重、血清ALT値、投与エタノール濃度などで補正を行ったうえで重回帰分析を行ったところ、血清ALT値の低下は寿命の短縮と独立していることが分かった。これらの成果を論文にまとめた (Alcoholism: Clinical and Experimental Research 誌に掲載予定)。 Aldh2ノックアウトマウスに生後10週齢より5週間エタノールを投与した検討で、血清ALT値が野生型マウスにおいて変化が少ないのに対し、Aldh2ノックアウトマウスで大きく低下したことをこれまでに報告したが(2008年)、このメカニズムを検討するべく追加検討を行った。Aldh2ノックアウトマウスでは酸化ストレスを生むCYP2E1が肝組織内で誘導されており、同時に抗酸化ストレス蛋白であるヘムオキシゲナーゼが誘導されていた。相関分析により様々な要因で誘導されたCYP2E1が抗酸化ストレス蛋白を誘導し、酸化ストレスを減少させ、TNFαを介して組織障害を低下させている可能性が示唆された。(投稿中)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
受精卵の生体復元等のステップにより動物の搬入が遅れ、計画していた検討が遅れているが、採取済みデータの解析や冷凍保存組織の解析等の手段により研究成果があったため
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りにすすめる。一方で肝組織からの初代培養手法を適宜導入し、短期間で成果がでるように工夫する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残額が少ないため 次年度分と合わせて使用する
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Research Products
(2 results)