2015 Fiscal Year Research-status Report
肥満・耐糖能異常を合併したアルコール性肝障害におけるALDH2遺伝子多型の影響
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25870515
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 講師 (10330979)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ALDH2 / アセトアルデヒド / エタノール / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
飲酒による肝障害は、ALDH2*2保有者において緩和されることが、疫学研究や動物実験で示されている。本研究課題では、これに肥満や耐糖能異常が加わった場合、どのような影響があるかを検討することを課題とした。しかし、いまだに基本的なメカニズムの検索が不十分であることから、2015年度は以下のような研究を行った。 ALDH2*2保有者における肝障害の緩和メカニズムを示唆する研究論文を発表した。一昨年度発表した研究論文では脂質代謝関連タンパクや酸化ストレスを緩和するSODが関連することを示したが、本研究論文ではあらたにヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)の関与を示している。HO-1の誘導は飲酒の有無にかかわらず観察された。ALDH2*2保有者では生体由来のアルデヒド類に暴露され続けることにより、酸化ストレス応答システムが誘導されるのではないかと考えられた。 これらの成果を踏まえ、血清肝逸脱酵素値における飲酒とALDH2 遺伝子多型の交互作用について総論を発表した。このなかで、ALDH2*2保有者においては血清肝逸脱酵素値が飲酒量のマーカーとして不適切であることが臨床医学や予防医学の現場で認識される必要があることを述べた。 さらに、ALDH2の基礎的知識から最新の研究成果をまとめた総論(遺伝子、タンパク質の構造、変異型ALDH2タンパク質の構造、酸化ストレスとのかかわり、諸疾患とALDH2*2遺伝子のかかわり、今後の課題、等)を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基本的なメカニズムの検索が不十分であったため
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Strategy for Future Research Activity |
基礎的検討が終了ししだい計画を進める
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Causes of Carryover |
残額がすくないため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度分とあわせて使用する
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