2015 Fiscal Year Annual Research Report
担い手のライフヒストリーからみたジオパークの観光化プロセスに関する研究
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25870520
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
深見 聡 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (20510655)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジオパーク / ジオツーリズム / 持続可能な地域づくり / 地域資源 / 住民意識 / 島嶼 / エコツーリズム / 産業遺産観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、持続可能な地域づくりを目指すジオパーク地域やジオパーク構想地、ならびにエコツーリズムやアイランドツーリズムを掲げている地域で実質的にジオツーリズムが展開されている地域での、ジオツーリズム確立の地域メカニズムを理論的、実証的に明らかにすることを目的にし、特に桜島・錦江湾ジオパーク(鹿児島市)、2015年9月に日本ジオパークに認定された三島村・鬼界カルデラジオパーク(鹿児島県三島村)、五島列島の小値賀島(長崎県小値賀町)に注目して、自治体や地域住民の意識の把握を試みた。具体的には、次の2点について重点的に取り組んだ。 1.ジオパークとジオツーリズムの理論的位置づけの再検討 ジオパークやジオツーリズムの特徴を先行研究から整理するとともに、ジオパーク制度が2015年11月にユネスコの正式プログラムとなったことをうけて、両者の理論的位置づけの明確化を図った。結果、「Geo as Eco」として実質的なジオツーリズムを展開する地域も含めて、観光対象となる地域資源の位置づけが、地質露頭や岩石といった地学に限定されず、より広義の自然や文化・歴史を含んだGeo scienceの定義の変遷のもと、保全を前提とした活用を徹底していく点が強調されつつあることが明らかになった。 2.ジオツーリズムとエコツーリズムに関する融合的研究の実施 これまでの研究成果をもとにして、2015年に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」を構成する軍艦島(正式名称:端島、長崎市)や高島炭鉱跡(高島、長崎市)を事例として、ジオツーリズムと産業遺産観光との関わりについて検討した。
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