2014 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者に対するTUG manualを用いた転倒予測の可能性の可能性
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25870528
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中原 和美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (00439572)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MCI / TUG manual / 転倒予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、初期評価を終了した対象者は92名 (平均年齢79.9±8.3歳) であり、そのうち45名が6ヶ月間の追跡調査を終了した。脱落者は6名(13.3%)であった。脱落者と6ヶ月間追跡可能であった者の初期評価時の就学年数、内服薬数、身体機能、認知機能及び二重課題遂行能力に有意な差は見られなかった。 6ヶ月間追跡可能であった者のうち、転倒経験者は13名 (28.9%) であった。転倒者の転倒回数は1回7名、2回以上6名であった。転倒後の受傷者は9名であり、内訳は打撲・擦り傷8名、骨折1名であった。また、追跡期間内に初めて転倒したのは、平均75.2±60.6日目 (平均11.1±8.6週目) であった。転倒の状況は、屋外転倒が6名、屋内転倒が7名でほぼ同数であった。 6ヶ月間、追跡できた者については、初期評価値と6ヶ月後の評価値について対応のあるt検定を実施した。結果、転倒リスクは3.7±2.1点から4.3±2.5点へ有意に増加、握力が22.1±9.1kgから20.3±8.9kgと有意に低下していた。その他の項目については、変化は見られなかった。転倒者と非転倒者の初期評価値を比較では、転倒者は非転倒者に比べ、有意に片足立位保持時間が短かった。本研究の予想される結果としてTUGとTUG manualの差であるdiff TUGが大きい地域在住高齢者では転倒発生率は高いと予測しているが、転倒者と非転倒者の初期値のdiff TUGには有意差は見られなかった。TUG及びdiff TUGとTMTには有意な相関が見られた(r=0.74, p<0.001r及び=0.39, p=0.011)。また同様にTUG及びdiff TUGとMMSEには有意な相関が見られた(r= -0.67, p<0.001及びr= -0.48, p=0.001)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関係機関との調整が遅れ、追加調査の開始時期が遅くなったため、47名が6ヶ月間の転倒調査期間内であり、約6ヶ月程、研究の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
追跡期間内にある47名の転倒追跡期間終了後の最終評価測定日時は既に決定している。最終評価終了次第、速やかにデータ入力及び統計処理を行い、研究成果発表への準備に取り掛かる。
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Causes of Carryover |
平成25年度及び平成26年度に開始した被験者を測定した研究協力者への謝金支払いが未実施であるためである。また、研究実施がやや遅れ気味であるため、成果公表を行うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度であるため、平成25年度及び平成26年度に開始した被験者を測定した研究協力者への謝金支払いの予定がある。また、測定時の機材運搬中に測定器具を破損したため、最終評価に向けて必要な測定器具購入のために使用する予定である。 また、研究成果公表のための学会参加旅費や論文投稿に関わる支出を予定している。
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