2015 Fiscal Year Research-status Report
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25870559
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
相浦 洋志 大分大学, 経済学部, 准教授 (50511177)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医療経済 / 地域科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、9月から7ヶ月間ノルウェー経済大学に滞在し、同大学およびベルゲン大学の医療経済学を専門とする研究者と本研究課題に関連する内容の議論を行った。それにより、今後の研究内容に関する整理をするとともに、現地共同研究者との共同研究の方向性を確認した。 前年度までの研究では日本国内の医療制度を念頭に置いており、統一の医療制度の下での分析であった。しかし、EU各国においては、EU圏内の医療機関を受診する権利が認められており、EU圏内においては、他国の公的医療機関を受診しても自国の公的医療保険が適応されるよう法整備が進められている。ただ、医療制度はEU各国で異なっており、異なる医療制度の下で広域的な医療を受けられる体制となっている。そこで、共同研究者との助言を得て、異なる公的医療保険制度を持つ国々が国境を超えて医療を受けられる場合に、各国の医療水準や公的医療制度、さらには公的医療制度を支える財政にどのような影響を与えるかについて分析を行った。 また、共同研究者との議論の中で、ヨーロッパでは公的医療機関の受診に際する待ち時間の長さから、公的医療保険が適応されない民間医療への需要が高く、医師は高給を求めて、公的医療機関ではなく民間医療機関に勤めることが問題になっていることが分かった。そこで、この問題を理論的に分析するために、申請者が構築した患者と医師の地域選択のモデルを公的および民間の医療選択のモデルとして再構成できないかという提案があり、この問題について共同研究を行うことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
9月から7ヶ月間ノルウェー経済大学に滞在し、集中的に研究に取り組むことができたので、前年度の遅れを取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに得られた研究成果を国際学術誌に掲載することで国内外に広く成果を発信したい。また、ノルウェー経済大学に在籍する教授との研究協力体制が構築されたので、この関係を維持しつつ、新たな学術研究領域の創成に向けた検討を行いたい。
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