2013 Fiscal Year Research-status Report
低酸素PETを用いた脳腫瘍の遺伝子解析と腫瘍幹細胞をターゲットとした治療法の開発
Project/Area Number |
25870560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
籾井 泰朋 大分大学, 医学部, 助教 (20534192)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / 低酸素 / 腫瘍幹細胞 |
Research Abstract |
H25年度はまず、組織学的評価を評価する前段階として研究計画(1)PET検査、(2)画像診断によるサンプル部位の決定と検体採取を行った。 悪性脳腫瘍が疑われる症例に同意を取り、術前の造影MRI画像に各々PET検査をfusionさせ、摘出範囲内でメチオニンが高集積となっている部位、[18F] FRP-170が高集積となっている部位、両者とも集積が見られている部位、両者とも集積が見られていない部位を評価し、手術プランニングを立てた。メチオニンPET及び低酸素PETを両方施行できた症例は3例。各検査の集積部位の酸素濃度を、術中に組織酸素分圧測定装置を用いてモニタリング、求めている部位であることを確認して採取した。今研究に該当する症例は年間数例であり、現在も該当症例を検討している状況である。 次に研究計画(3)標本の免疫組織化学染色での検討も同時進行として進めている。 手術時に得られたサンプルを、現在免疫染色(IDH1、p53、GFAP、S100、MGMT、MIB-1)の評価を行っている。現時点では腫瘍関連に遺伝子(IDH1、p53、MGMT)には各検体で優位な差はみられていない。増殖能や特異抗体に関しては検体数を増やしてから検討を行う予定である。また研究目的(6)癌幹細胞の採取及び培養にしたがって、各部位から採取された腫瘍細胞から癌幹細胞を培養を始めている。採取検体から幹細胞を単離することはできたが、培養及びヌードマウス等での生体内での培養増殖は、未だ成功していない。今後条件をかえて引き続き実行予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
悪性脳腫瘍患者の術前の画像検査、PET検査の施行状況や術前の検体採取計画及び術中の目的検体採取に関しては順調に行えている。しかしながら該当症例が少ない為、採取された検体からの組織学的検討までには至っていない。 腫瘍幹細胞の採取、培養増殖に関してはin vitroからin vivoへの移行が進まない状況である。マウス脳内での腫瘍幹細胞の生着、培養はスピードが遅い上、実験に使用できる細胞株としてストックに至るにはもう少し技術の追加が必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは検体数を増やす為、メチオニンPET検査、及び低酸素PET検査を行っていく。 その上で得られた検体の免疫学的評価を随時進めていく。 腫瘍幹細胞採取に関しては現在その知識に長けているものの協力を得ながら、進行している状況であり、早めの採取法確立に努める。
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