2015 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素PETを用いた脳腫瘍の遺伝子解析と腫瘍幹細胞をターゲットとした治療法の開発
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25870560
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
籾井 泰朋 大分大学, 医学部, 助教 (20534192)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低酸素 / 腫瘍幹細胞 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)低酸素部位での遺伝子解析 低酸素PETで低酸素領域と診断された部位とそれ以外の部位より採取された腫瘍組織を培養し、HIF-1α等の酸化ストレスに関係する因子をRT-PCRにて調べた結果、確かに低酸素による影響が見られた。 (2) 脳腫瘍幹細胞移植モデルにおける低酸素状態での治療法の検討 脳腫瘍細胞や脳腫瘍幹細胞をヌードマウスの皮下及び脳内に移植し、MRIで腫瘍を定量化を試みた。しかしながら低酸素部位で採取した幹細胞にいたっては発育が見られなかった。現在引き続き原因を捜索中である。低酸素領域の腫瘍とその他部位の腫瘍における、テモゾロミドの反応性をvitroにて観察したが、有意な差は見られなかった。しかしながら、それぞれ低酸素ストレス下でのMGMTの発現量に相違があり、低酸素ストレス下での抗癌剤の効果には差がある可能性が示唆された。今後も引き続き研究を続けていく。 当研究室では、小動物を低酸素飼育可能な装置を有している。そこで腫瘍塊が一定の大きさになった時点で、in vitroで有効性が確かめられた薬剤、抗がん剤の効果が、定常状態と低酸素状態で異なった反応性を検討できる。今回は採取された腫瘍幹細胞のvivoでの発育が見られず、予定していた生体内実験が進まなかった。原因を究明し今後の研究に繋げる。さらには低酸素状態に大きく影響する放射線治療と酸化ストレス因子をターゲットとした薬剤の組み合わせにより、低酸素領域での腫瘍幹細胞に対する放射線感受性が高まるかなど検討していく予定である。
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