2013 Fiscal Year Research-status Report
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25870568
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
黒江 奈央 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助産師 (10593650)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 助産師 / 看護ケア量 / 看護ケア種類 / 助産師の感覚 / 定量的データ / 乖離 / 比較 |
Research Abstract |
“予め配置された人員のみで緊急分娩時の患者ケアを行う”という現状を改善し、産科緊急時の実態をもとに見直しを行い、需要に応じた助産師配置基準を検討し、より安全な分娩環境を整備するための根拠を証明することが本研究課題の要である。H25年度においては、病院情報システムに蓄積された患者データを用いて、分娩方法毎に分娩の前日、当日、翌日の看護ケア量を抽出しケア量の差異を分析した。帝王切開術を受けた患者では、分娩当日に比べて分娩翌日に1.4~1.5倍の看護ケア量を必要とし、経膣分娩を行った患者よりも有意にケア量が増大していた。また、提供された看護ケアの中では、優先順位の高いケア項目を含む「診療介助」が最も多いことを明らかにした。この研究結果をもとに、分娩様式による分娩とその前後の看護ケア量ならびに差異について、実務的な感覚とデータ分析結果の乖離を分析した。産科病棟で勤務する助産師の繁忙感を増大させる要因と、看護記録から得られた看護ケア量には相違点がみられ、助産師の感覚として分娩当日の看護ケア量が最も多く、中でも緊急帝王切開術を受けた患者のケア量が最多となった。助産師は患者指導に関する援助に多くの看護ケア量を要すると感じていた。これらの研究結果を、国内の学会において発表した。また、国際学会にも参加した。最新の知見を得ることができたとともに、次年度、国際学会における発表の計画を立案することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度においては、助産師の実施する看護ケア量について、実務的な感覚と定量的なデータの乖離を比較検討した。その結果、助産師の感覚として看護ケア種類の中でも「教育指導」に関するケア項目により多くの看護ケア量を必要としていた。一方、定量的データの集計結果、助産師は「日常生活援助に関するケア」「診療の介助」などにより多くのケアを必要としていることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に明らかにした内容をもとに、さらに助産師の配置基準を具体的に提言するための根拠を分析していく。また、先行研究や海外における文献、取り組みなどもより詳細に分析し、自己の研究を深めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費、旅費ともに予算額よりも低額で支払いが可能であったため。 物品購入、学会発表に伴う学会参加費・旅費に使用予定
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