2013 Fiscal Year Research-status Report
細根特性に着目した、熱帯林構成樹種の土壌環境に対する適応メカニズムの解明
Project/Area Number |
25870569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鵜川 信 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (30582738)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱帯林 / 共存機構 / 土壌環境 / 細根特性 / Macarange属 / Shorea属 |
Research Abstract |
熱帯林の構成樹種の共存機構を知るためには、各樹種の土壌環境への適応メカニズムを明らかにする必要がある。そこで、本研究では、細根特性の視点から、熱帯林構成樹種の土壌環境への適応メカニズムを明らかにすることを目的とした。2013年度は、各構成樹種の個体の位置およびサイズを記録するとともに、各樹種が生育する立地の土壌水分含有率の差異を明らかにした。パソ森林保護区において、Macaranga属6種120個体(高さ10cmの幹直径3~43mm、樹高13~652cm)、Shorea属9種217個体(高さ10cmの幹直径3~30mm、樹高50~453cm)を選定し、周辺の土壌水分含有率を調べたところ、Macaranga recurvataが生育する立地の土壌水分含有率は、他のMacaranga属の樹種が生育する立地の土壌水分含有率よりも、有意に高かった。また、Macaranga hoseiが生育する立地の土壌水分含有率は、、有意ではないものの、Macaranga recurvataを除く他のMacaranga属の樹種が生育する立地の土壌水分含有率よりもやや高かった。一方、Shorea属の樹種が生育する立地の土壌水分含有率については、樹種間に有意な差はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
野外調査は、ほぼ計画通りに進んだ。一方、マレーシア全土でShorea属の種子が不足しており、苗畑での実験が予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
野外調査では、残りの環境データ(対象個体周辺の光環境と土壌環境のデータ)を収集する。また、細根を採取し、細根特性の解析を行う。苗畑での実験では、Macaranga属およびShorea属の種子を入手し、実験を開始する。入手が出来なかった場合は、山引苗を入手し、実験を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
野外調査の他に、苗畑の実験の準備を行う予定であったが、マレーシア全土でShorea属の種子が不足していたため、実験の準備を行うことができなかった。そのため、渡航が次年度に延期となり、使用額の繰り越しとなった。 Shorea属の種子を収集するとともに、不足分は山引苗等で代替し、延期となっていた実験を行う。その分の労力は、渡航回数を増やすこと、また、実験補助を多く雇用することで補填する。これらの補填に、繰り越し分の経費を使用する。
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