2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25870577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
松下 慎也 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (20435449)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 射影法 / 線形行列不等式 |
Research Abstract |
本研究では、これまでの求解法では解決できないような複雑で大規模な制御系に対するモデル構築について研究をおこなう。特に、非線形解析学の分野で活発に研究されている射影法に焦点を当て、制御モデルを構築する新たな求解法の開発を目的とする。平成25年度の目標として、以下の内容を挙げた。 (1) 制御系のモデル構築において線形行列不等式(Linear Matrix Inequality (LMI))に基づく手法が急速に発展している。一方、所望の条件を満足する制御モデルが満たすべき条件は、未知数に依存する行列の不等式制約(LMI条件)を用いて記述できるため、文献調査や打ち合わせ、学会参加によりLMI条件に関する情報収集をおこない、得られた情報を整理する。 (2) 本研究に関連するLMI条件を制約に持つ集合を構成し、各集合の凸性などの構造に関する調査や射影が陽的に定義できるかなどに注目して解析を進める。 (3) LMI条件を評価・検討するための計算機の環境を整える。特に、LMIを解析する上で有効となるMATLAB開発環境を利用する。 平成25年度は、これらの目標を踏まえてLMIに対する射影法の基礎的な先行研究を基に、半正定値行列全体の集合の上への射影、またそれを平行移動した集合の射影に関する陽的な表現について調査を進めた。一方で、古典的な射影法に改良を施すことで求解法の効率化にも取り組んだ。MATLABの開発環境を利用し、具体的なLMI可解問題に対して開発した求解法の数値実験を行うことで、その収束性について評価・検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案した求解法は特定の条件の下で有限回で解に到達することが保障されており、数値実験においても従来の射影法と比較して効率的に解が求まる事が確認された。以上に示す通り、当初の予定通り研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
射影法にはこれまでに多くの効率化、高速化の手法が提案されている。これらの手法を制御モデル構築法に応用し、実用面での進展を図る。また、低次数の制御モデルを構築する場合、非凸集合を考慮する必要があるため、制御モデル構築に関連する非凸集合の構造およびその集合の上への射影の陽的な表現について調査する予定である。
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