2014 Fiscal Year Research-status Report
がん細胞の原発巣と転移巣での性質の違いに関する研究
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25870586
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
藤井 義大 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20637540)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 浸潤 / 転移 / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究は、概ね研究実施計画通りに進行している。 マウスの足の付け根に腫瘍細胞(メラノーマと骨肉種)を植え付け、腫瘍を作らせ、原発巣と転移巣よりそれぞれの腫瘍細胞を採取した。それぞれの細胞を株化し、培養細胞として樹立した。昨年度は、これらの細胞を用い、放射線感受性と多種の薬剤感受性を調べた。薬剤は白金製剤であるシスプラチン、オリサリプラチン、カルボプラチンとMMS、マイトマイシンC、カンプトテンシン、エトポシドなど抗がん作用の異なった薬剤を用いて、実験を行った。原発巣と転移巣で、X線に対する放射線感受性の違いは見られなかったが、シスプラチンにおいて転移巣がより感受性である(コロニー形成法において生存率が低い)という結果が得られた。そこで、白金製剤において共通の作用があると考え、オリサリプラチンとカルボプラチンを試したところ、2つの細胞で差は見られなかった。今後、なぜシスプラチンが転移巣の細胞に、より効果があるのかを調べる予定である。また、X線治療よりも治療成績が良いと考えられている重粒子線(炭素線)において2つの細胞で生存率に差があるかどうかを調べ、差が出れば、その原因を追究する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
シスプラチンが、転移巣の細胞により良く効く理由を分子メカニズム的に追及する。 また、重粒子線(炭素線)で同様に比較して、差があれば、その原因を追究する。
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Causes of Carryover |
実験の進行が若干遅れているために、昨年度に本来購入予定であった物品の購入を今年度に回したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度に本来購入予定であった物品の購入を今年度に購入する予定。
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