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2014 Fiscal Year Research-status Report

社会的孤立および運動の質がアルツハイマー病モデルラットの認知機能に及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 25870587
Research InstitutionIbaraki Prefectural University of Health Science

Principal Investigator

角 正美  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 嘱託助手 (30646261)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsアルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白質 / 参照記憶 / 社会的孤立 / 運動の質 / ラット
Outline of Annual Research Achievements

ラットにアミロイドβ蛋白(Aβ)脳室内持続注入を行い、脳内Aβの重合や蓄積が生体に対しどのような影響を及ぼすかを明らかにする。具体的には、“居住型迷路”および “Barnes迷路”を用い、非空間的および空間的な情報による場所の記憶がAβ投与後の神経障害によって、どのように変化するのかを検討することを目的とし研究を進めている。
Aβ脳室内持続注入2週間後、テスト走行と迷路内放置を行ったところ、Aβ投与群と統制群の新規学習能力に差はみられなかったが、Aβ投与数週間後に再度テスト(参照記憶テスト)を行うと、Aβを投与したラットの到達時間の延長とエラー数の増加傾向がみられた。この結果から、Aβ投与により参照記憶障害が引き起こされることが示唆された。更に社会的孤立状態がAβによる認知機能の低下に及ぼす影響を調べるため、ラットを個別飼育し、上記と同様の実験を行ったところ、単独飼育がAβ投与による記憶障害の出現を早めることがわかった。
また、平成26年度は、ラットに対し自発的あるいは強制的に習慣的な運動を行わせ、運動様式(質)の違いが認知機能にどの様な変化を及ぼすのかBarnes迷路(空間的記憶課題)にて行動解析を行った。
自発的運動群には回転かご運動を強制的運動群にはトレッドミル走行を週5日、4週間実施した。平成26年度は予備実験として、運動および行動解析の方法、スケジュールの確立を目指した。アルツハイマー病モデルラットにおいて同じプロトコルを用いた実験が可能か否かを検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Aβ脳室内持続注入による認知機能への影響を調べた。
実験① アルツハイマー病モデルラットにおける認知機能障害を参照記憶に焦点を当て検討する:Aβ注入後に新規学障害は起こらないが参照記憶障害が引き起されることが明らかになった。当初の計画では、行動実験として居住型迷路のみを行う予定であったが、空間的な情報による参照記憶についても検討することで、より考察が豊かになると考え、平成26年度半ばからBarnes迷路を使用した行動実験を行っている。当該結果に関しては第38回日本神経科学大会(神戸:ポスター)にて発表する。現在組織学的解析を進めており、年内に論文投稿を行う予定である。
実験② 社会的孤立状態がAβによる認知機能障害にどのような影響を及ぼすのかを検討する:単独飼育がAβによる認知機能の低下の出現を早めることが分かった。当該結果に関しては、行動実験の成果発表を第37回日本神経科学大会(横浜:ポスター)にて行った。
実験③ 質の異なる運動がAβによる認知機能障害にどのような影響を及ぼすのかを検討する:ラットに対し自発的あるいは強制的に習慣的な運動を行わせ、運動様式(質)の違いが認知機能にどのような変化を及ぼすのかを検討した。当該実験は、平成26年度から開始したため、現在は予備実験の解析中である。行動解析方法として、当初は非空間的記憶課題である居住型迷路の使用を予定していたが、運動負荷は摂食行動にも影響を与えることから、エサを報酬とした課題ではモチベーションに差が出る可能性があり課題遂行に摂食制限を必要としないBarnes迷路に課題を変更した。運動としてトレッドミルと回転かご走行を課しているが、回転かごが2台しか用意できなかったため、一度に多くの被験体を実験することができず、平成26年度はアルツハイマー病モデルを用いた運動の効果を調べるに至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

実験① アルツハイマー病モデルラットにおける認知機能障害を参照記憶に焦点を当て検討する:当該結果に関しては現在組織学的解析を進めており、年内に論文投稿を行う予定である。
実験② 社会的孤立状態がAβによる認知機能障害にどのような影響を及ぼすのかを検討する:単独飼育がAβによる認知機能の低下の出現を早めることが分かった。平成27年度は、組織化学的検討を進める。更に、本実験で課した単独飼育が脳にどのような変化を及ぼすのか生化学的にも検討を行う。
実験③ 質の異なる運動がAβによる認知機能障害にどのような影響を及ぼすのかを検討する:運動の実施および行動実験を行ったラットの脳は現在冷凍保存中である。平成27年度は、脳由来神経栄養因子であるBDNF発現量を当該記憶の脳内関連部位である海馬や前頭皮質において生化学的に分析する予定である。研究遂行の課題として、自発的運動として回転かご付きケージ内で暗期を過ごさせたが、先行研究で示されている走行距離よりも距離が伸びなかったことが挙げられる。行動解析の結果および脳内BDNF発現量が、少ない走行距離であっても、運動の質の違いにより差異があった場合、予備実験と同様のプロトコルにてアルツハイマー病モデルラットの検討に移る予定である。

Causes of Carryover

組織学的解析および生化学的解析に必要な抗体や試薬(またはキット)など先行研究を参考にして選定を行っているため。また、上記物品には使用期限があり、実験直前の発注を予定しているため、次年度使用額が生じることとなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

組織学的解析および生化学的検討に必要な抗体や試薬(またはキット)を購入予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Continuous intraventricular infusion of β-amyloid protein causes spatial and non-spatial reference memory deficit in rats.2015

    • Author(s)
      角正美、古家宏樹、角友起、永田博司
    • Organizer
      第38回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      2015-07-28 – 2015-07-31
  • [Presentation] Isolation rearing hastens the onset of reference memory deficit in β-amyloid protein infused rats.2014

    • Author(s)
      角正美、山田一夫、一谷幸男、永田博司
    • Organizer
      第37回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2014-09-11 – 2014-09-13

URL: 

Published: 2016-06-01  

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