2015 Fiscal Year Research-status Report
二つの帝国と黒人教育:南アフリカにおける米国南部黒人学校の移植に関する社会史研究
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25870602
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
荒木 和華子 新潟県立大学, 国際地域学部, 講師 (90581778)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会史 / 帝国主義 / 黒人教育 / 米国南部 / 南アフリカ共和国 / 農村部におけるモデル学校 / ポストコロニアル研究 / ペン学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アメリカ合衆国(米国)発の黒人教育が、大西洋を横断し「移植」される歴史的背景と教育実践の意味を、国家、財団等の教育支援組織、教師や生徒・コミュニィティ等の複数のアクターの関係性に着目して、明らかにすることである。具体的には、大英帝国が衰退し米国が帝国主義化し始める20世紀前半において、米国内ならびに南アフリカの特に農村部において黒人教育のモデルとして参照された「ペン学校」を事例として、ポストコロニアルな視点を用いた社会史研究である。初年度は既存の層の厚いアフリカ研究、帝国主義研究、ポストコロニアル研究、ジェンダー・教育研究から多くを学ぶために、幅広い関連文献の捕獲、出張、資料調査、学会・研究会への出席、国内外からの研究者の招聘等を行い、理論的な枠組みと人的ネットワークの構築をはかった。昨年度と当該年度は育児休業等の取得により研究を中断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、当該年度は育児休業等の取得により研究を中断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究再開後は、初年度に捕獲した史資料の調査・分析を行い、より具体的・実証的な検証を行う。具体的には1860年代のペン学校の開学当初は教養教育中心であったのが、19世紀末から20世紀初頭にかけて産能・職業訓練学校として展開していく背景と、ペン学校が海外で受容されることとの関係性を分析する。同時に引き続き、南アフリカ、帝国史、教育の比較・交流関連の先行研究から学び、一次史料を入手し、整理する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は昨年度に引き続き育児休業等の取得により研究を中断したため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究再開後は、初年度使用できなかった文献購入費について引き続き行う文献・資料調査において使用する予定である。
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