2014 Fiscal Year Research-status Report
1回膜貫通型糖蛋白質GPNMBの小胞体および酸化ストレス応答機能の解明
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25870605
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鶴間 一寛 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (50524980)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GPNMB / 小胞体ストレス / GRP78 / スプライシング |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、GPNMBが小胞体ストレス存在下でシャペロン分子であるGRP78の発現を増加させることを明らかにした。GPNMBは細胞外に放出されるN末端側と細胞内に留まるC末端側に酵素的に切断される。そこで、GPNMBのGRP78の発現誘導にどの部位が必要であるか、完全長のGPNMBまたはC末端側のGPNMBをマウス運動ニューロン様細胞であるNSC34に強制発現させて検討した。その結果、完全長GPNMBを発現させた細胞においてはGRP78の発現増加が認められたものの、C末端側のみを発現させた細胞では強制発現によるGRP78の発現増加は認められなかった。また、GPNMBはGRP78のプロモーター領域に影響を与えないことを明らかにしている。GRP78のmRNAスプライシングに影響を与えている可能性が示唆されたことから、つぎに、GRP78の未成熟なmRNAを検出できるプライマーを作製して、GPNMBの機能を検討した。GPNMBの発現をRNA干渉法を用いて減少させて小胞体ストレスを負荷した結果、GPNMBの発現量が低下した細胞では未成熟なGRP78 mRNAの増加が認められた。この結果から、GPNMBはGRP78のmRNAのスプライシングを調節している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小胞体ストレス存在下でのGRP78の発現誘導に対するGPNMBの機能の詳細を明らかにし、この点に関してはおおむね達成できた。一方、酸化ストレスにおけるGPNMBの機能についてはいまだ解析しておらず、今後の検討課題として残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
GPNMBのトランスジェニックマウスを用いて、in vivoでGPNMBによるGRP78の発現調節機構を明らかにする。また、酸化ストレスにおけるGPNMBの機能を同様に検討する。
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Causes of Carryover |
動物試験および酸化ストレス関連の試薬を必要としなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は酸化ストレスとGPNMBの関係をin vitroおよびin vivoで明らかにする。そのため、酸化ストレス関連試薬および動物購入費・維持費として使用する。
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