2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive Support for "Futoko" Children and their Families: Role of School,Family, and Community-related Organizations
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25870607
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
松本 訓枝 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授(移行) (90448697)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 「不登校」問題 / 「不登校」児・家族 / 「不登校」支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「不登校」がどのような困難な問題状況をもたらしているのかを家族の対処能力を含めて明らかにするために、「不登校」経験者5名と家族(母親)6名を対象に聞き取り調査を2014年~2016年に実施した。 その結果、「不登校」経験者への聞き取り調査からは、「不登校」のきっかけには何らかの人間関係上のトラブルや課題があり、これら人間関係上の課題を所有しながら「不登校」後を過ごす姿があった。そして、こうした課題を克服する契機として、「不登校」後に自身のことを受け止め、支えとなる家族や家族外の理解者の存在や自己表出する経験などがあり、そこには、「不登校」を肯定的に捉えようとするアイデンティティ形成の萌芽、「不登校」後を前向きに歩もうとする姿があった。ただし、学校に行かなかったことによる低学力の問題や協調性の不足といった人間関係での悩みを抱えているケースもあった。 家族(母親)への聞き取り調査からは、親子関係がより「不登校」の子どもを中心とした関係となり、過剰な配慮でもって母親のみならずその他の家族員(父親、きょうだいなど)が関わっている実態があった。また、自身のことを受け止め、支えとなる家族や家族外の理解者の存在や自己表出する経験などにより、「不登校」後を前向きに歩もうとする姿があった。ただしこうした過程において、低学力の問題や人間関係上の困難、家庭の経済的困難から、「不登校」後の進路を描くことができない、あるいは進学を断念せざるを得ないケースもあった。 現在は、これらの結果をもとに学校・家庭・地域関係機関が果たす役割について、包括的に「不登校」支援を行っている地域への聞き取り調査結果を踏まえて検討している。
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