2015 Fiscal Year Annual Research Report
短時間間歇照射と寡分割照射の生物学的基礎研究にもとづく、最新陽子線技術の臨床応用
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25870609
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉江 愛生 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80509258)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 亜致死損傷の回復 / 潜在致死損傷の回復 / 低線量率長時間持続γ線被曝 / 直接作用・間接作用 / 再酸素化 |
Outline of Annual Research Achievements |
陽子線照射における潜在致死損傷の回復(PLDR: potentially lethal damage repair)につきin vitroにて実験的評価を行い、X線照射におけるPLDRと比較検討した結果、EMT6マウス乳腺肉腫細胞では陽子線照射下ではPLDRがX線照射下と同様に起こったが、HSGヒト唾液腺細胞(HeLa汚染株)では陽子線照射下ではPLDRが非常に弱くなっていた。 陽子線照射における亜致死損傷の回復(SLDR: sublethal damage repair)につきin vitroにて実験的評価を行い、X線照射におけるSLDRと比較検討した結果、EMT6細胞・HSG細胞ともに陽子線照射下ではX線照射下と比較してSLDRが抑制されており、特にHSG細胞ではSLDRの抑制が顕著であった。 追加検討として、OHラジカルのスカベンジャーであるDimethyl sulfoxide (DMSO)を投与することで放射線の間接作用を抑制した状態で陽子線照射とX線照射をそれぞれ施行し、X線と陽子線の直接作用を比較検討中である。追加実験の結果解析を行って、学会発表・論文執筆を近日中に施行する予定である。 並行して施行した、HSG細胞を用いたin vitroにおける低線量率長時間持続γ線被曝後の大線量X線照射後の検討では、低線量率長時間持続γ線被曝群の細胞生存率が有意に高く、適応応答により低線量率長時間持続γ線被曝に伴う放射線抵抗性が誘導されたと推測された。学会発表・論文執筆を近日中に行い、今後in vivoにおける検討を施行していく予定である。
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