2015 Fiscal Year Annual Research Report
β遮断薬が及ぼす心臓手術周術期の心筋細胞内小胞体ストレス変化と遺伝子治療への応用
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25870623
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
谷口 文香 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (40515285)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度では、人工心肺使用下冠動脈バイパス患者より、採血および右心房筋採取を行い、mRNAの周術期における発現変化をPCRアレイ法で確認した。その結果、細胞死に関連する遺伝子の発現変化が考えられた。したがって、昨年度は周術期の細胞死に関連するmicroRNAの発現にも変化があるとの仮説を立て、microRNAの発現解析を行い、有意差を得た。最終年度では、それらを継続しつつ、細胞内情報伝達系へのmicroRNAの発現変化の影響を、主成分分析やパスウェイ解析などの多変量解析で行うためのサンプル数取得を目標に研究を行った。まず、採血および右心房筋(ホモジナイズを行い)からmicroRNA isolation kitを用いてmicroRNAを抽出した。得られたmicroRNAをIon Total RNA-Seq Kitを用いてフラグメント化した後に、逆転写酵素を用いて安定化したcDNAに変換した。その後、ビース調整を行い、Ion chef内でエマルジョンPCR法を用いて、cDNAを増幅した。最終的に充填されたチップをシーケンサーに導入し網羅的解析を行った。Ion chefを導入したため、シーケンス自体は安定したものの、心房筋からのmicroRNA抽出が一部不安であり、統計学的有意差を得るために必要なサンプル数までは到達しなかった。しかし、得られたサンプルにおいて、いくつかのmicroRNAで統計学的有意差が得られる可能性が高いことが明らかとなった。
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