小児がん患児・家族の在宅療養を支援するための生活中心型協働システムに関する研究

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25870637
• Research Institution: Wakayama Medical University
• Principal Investigator: 岡本 光代 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 助教 (50458080)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 小児がん / 在宅療養 / 協働システム / 保健師

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、小児がん患児、家族の在宅療養を支援するための、保健・医療・教育の協働システムを構築するためのモデルを検討することである。
１．平成23年～25年に行ったインタビュー調査「小児がん患児をもつ母親の闘病体験」を、質的統合法を用いて分析中である。
２．和歌山県には小児がん家族を中心とした交流の場や家族会がないため、在宅療養中や治療終了後の家族は孤立しがちである。これを解決するために、和歌山県難病子ども保健相談支援センターの保健師が中心となり、病院の看護師、ソーシャルワーカーの協力を得て、情報交換会を3回（平成26年6月25日、12月9日、平成27年2月3日）開催し、家族会のあり方や開催に向けて検討を重ねてきた。その結果、闘病体験を乗り越え、親子で成長できるような人のつながりや場が必要であると考え、平成27年5月31日に医療講演会と家族の交流会を開催することとなった。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成26年度中に予定していた小児がん家族の交流会の開催が遅れ、平成27年度の実施に向けて現在準備中である。このため、母親の在宅療養における体験分析における研究協力者の依頼が停滞している。

Strategy for Future Research Activity

研究結果から家族の交流会の必要性が明らかとなり、現在、各関係機関と協力して開催に向けて準備している（平成27年5月31日、和歌山市内で開催予定）。
さらに、家族の交流会から家族会へと発展させ、小児がん患児や親が孤立しないで悩みを相談できる場を作る。
和歌山県内の小児がん患児に関わりのある保健師を対象に面接調査を行い、小児がん患児、家族への在宅療養支援の実態について明らかにする。さらに、小児慢性特定疾患治療研究事業を担当する保健師を対象に質問紙調査を行い、小児がん患児、家族への保健師による在宅療養支援のあり方や、関係者の協働による小児がん患児、家族への在宅療養支援体制について検討する。

Causes of Carryover

平成26年度に開催予定であった家族の交流会が平成27年度の開催となり、遅延が生じた。
小児がん患児、家族の在宅療養に対する保健師の認識や支援の実態を明らかにするための予備調査が実施できなかった。理由は調査の日程調整が困難であったため、また、小児がん患児や家族への支援経験のある保健師がほとんどなく、調査する内容について再検討する必要性が生じたためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

１．保健師への面接調査は、和歌山県内だけでなく他府県の保健師を対象とし、小児がん患児、家族の在宅療養の認識と支援の実態について明らかにする。さらに、小児慢性特定疾患治療研究事業を担当する保健師を対象に質問紙調査を行う予定である。
２．小児がん医療講演会および小児がん家族交流会を開催し、参加した家族から療養生活について実態や要望などニーズを把握するとともに、和歌山県難病子ども相談支援センターを中心とした、病院看護師、ソーシャルワーカーとの情報交換会を継続開催し、小児がん患児、家族への在宅療養支援体制について検討する。また、学会や研修会等に参加し、小児がん患児や家族を支援する全国の取り組み等を情報収集するとともに、和歌山の家族交流会や研究成果を発表する。