2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒストンメチル基置換酵素SETD8を標的とした肝細胞癌の新規分子標的治療薬の開発
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25870638
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
速水 晋也 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00468290)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メチル基置換酵素 / 肝細胞癌 / 新規分子標的治療薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 細胞周期解析 (FACS) SETD8は既報より細胞周期に関連、特にS期を進行させる役割を持つと言われている (Jorgensen S et al. J Cell Biol. 2007 Dec;179(7):1337-45.)。またSETD8がPCNAと結合し (Oda H et al. Mol Cell. 2010 Nov;40(3):364-76.)、メチル化基質であることを解明している。肝細胞癌においてもS期に強く関わる可能性が推測され、SETD8を強制発現/抑制した際の細胞周期解析を行う。そこでDNA合成期に取り込まれるBrdU(5-bromo-2'-deoxy-uridine)を用いたFACSによる細胞周期解析を行う。BrdU FLOW Kit (BD Biosciences)を用いた検討で、まず細胞をBrdUでラベリングし、固定・透徹を行う。続いてDNaseに反応させ、BrdU抗体を添加する。counterとして7-AAD (7-amino-actinomycin D)もしくはPI (Propidium idodide)で染色する。 2. Ki-67との相関関係 Ki-67発現量と悪性度には正の相関が見られ、腫瘍組織における増殖細胞を検知するマーカーである。SETD8と同様に免疫染色 (ICCおよびIHC)を行い、SETD8発現との相関をチェックする。ICCに関しては2-Well chamberに細胞を準備し、必要時にはSETD8の強制発現/抑制処理を行う。洗浄後固定し、界面活性剤で反応させた後5% BSAでブロックし1次抗体を適切な濃度に溶解、4℃で一晩反応させる。2日目は適切な動物種の2次抗体で反応させ(Alexa Fluor 488/594)、DAPI加封入剤でマウントし、乾燥させた後共焦点顕微鏡で観察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 細胞周期解析 (FACS) 肝細胞癌株を用いてSETD8を抑制した際の細胞周期解析を行い、現在統計学的解析を行っている。 2. Ki-67との相関関係 SETD8と同様にKi-67抗体を用いて免疫組織染色を行い、SETD8発現との相関をチェックした。SETD8との関連ならびに当科の肝細胞癌症例データベースと対比させ、統計学的処理を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.SETD8下流遺伝子の探索-microarray SETD8がどのような機序で肝細胞癌に関与しているのかを探るため、平成25年度に構築した抑制系・強制発現系を用いてmicroarray (Affymetrix Genechip U133 Plus 2.0 array)を行う。この実験系に関してはmanufacturer’s protocolに則って施行する。これは研究代表者の既報である研究業績13および研究業績14で経験済みであり、問題なく実験を行える。肝細胞癌株を用いてSETD8を抑制した際に正の調節・負の調節を受ける遺伝子をTwo-dimensional, unsupervised hierarchical cluster analysisを行って統計学的に解析し、新規下流遺伝子を同定する。 2.新規pathway解析(PCNAを含めた) ・クロマチン免疫沈降法(ChIP assay) 関連のあった遺伝子はChIP assayを行ってそのpromotor領域における発現調節をチェックしmicroarrayのdataを確認する。SETD8 plasmidにて強制発現後protein G antibodyを用いて免疫沈降、DNA精製後PCRを施行し、targetとなる遺伝子について検討する。この手法に関しては、研究代表者の共著である研究業績8で経験済みである。並行してPCNAについても検討を続行し、すでに中村研究室にてPCNAメチル化抗体を作成しているため臨床検体を用いて免疫染色を行い、SETD8発現との相関をチェック、統計学的解析を行う。
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