2015 Fiscal Year Annual Research Report
不登校・ひきこもりの子を抱える親の心理的特徴とグループミーティングに関する研究
Project/Area Number |
25870646
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
四戸 智昭 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (70347186)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 不登校 / ひきこもり / 当事者の親 / グループ・ミーティング / 不安感 / 自助 / 共依存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の平成27年度における主な取り組みは、不登校やひきこもりの子を抱えた親たちが参加する自助グループ・ミーティング(以下GM)の過去3か年分の調査について分析しその結果について取りまとめることである。 本研究の目的は、不登校やひきこもりの子を抱えた親のGMについて、GMの実態を報告し、不登校やひきこもりの子を抱えた親の子に対する共依存的態度(=親の子に対する過剰なケア、親の子に対するコントロール欲求等)について分析し、親の変化を促す効果的なGMの進め方について提案することである。 筆者は2010年10月~2014年9月の4年間にわたってGMに参加した親たちを調査した。結果、このGMには延べ482名(男性74名・女性408名)の参加があり、親の平均年齢は65.7歳(SD7.33)であった。また、このGMでの親たちの観察から見えてきた親の共依存的特徴は「強迫観念的態度」、「二者択一的態度」、「現状否定的態度」、「コントロール的態度」、「自他境界混乱的態度」というものである。 親の変化が促されない他のGMでは、自助グループの原則であるいわゆる「言いっ放し、聞きっぱなし」が徹底されているように見受けられる。結果、親の悩みである「子のひきこもり」という強迫観念を強化しているだけに思われる。共依存という嗜癖からの回復には、親の不安の吐露は、GM全体の半分の時間でよく、残り半分の時間は、親が自分自身の人生を振り返り自分の未来を考える時間にする事が重要と思われる。例えば「自分のためにお金と時間を使う」「5年後の自分はどうなっていたいか」などである。 GMにおける支援者の支援の第一の目的は親の人生が満たされること、すなわち自らの明るい将来を描けるようになれること、さらにはそれによって緩やかに生じる親と子の固着した関係性(共依存)からの回復を支援することなのだと考える。
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Research Products
(1 results)