2013 Fiscal Year Research-status Report
対人的距離化スキルの規定因を探る -個人内・社会文脈要因からの検討-
Project/Area Number |
25870648
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fuji Women's University |
Principal Investigator |
石井 佑可子 藤女子大学, 文学部, 講師 (40632576)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 対人的距離化スキル / 青年期 / 社会的情報処理 |
Research Abstract |
25年度は、研究計画を進めるための予備的調査を行った。具体的には、社会的情報処理傾向として、顔表情に対する反応と社会的スキル行使傾向との全般的傾向の検討と、青年期期間中の発達段階変遷に伴う社会的スキル行使形態及びその帰結の差異の検討である。 まず、社会的情報処理傾向と社会的スキルとの関連について、大学生男女約200名を対象として調査を行い、表情刺激に対する読み取り傾向と社会的スキル行使との相関を確認したところ、本研究計画が着目している対人的距離化スキル行使と表情に対する情動の読み取りや印象評定とは部分的に関連がみられたが、調査参加者の性別と刺激写真の性別との組み合わせによってその結果には違いがあることが明らかになり、特に女性による男性の表情写真評定と対人的距離化スキル行使頻度との関連が強いことが示唆された。 青年期期間中の変遷について、中学生~大学生男女を対象として青年期前期、中期、後期にかけての行使傾向を比較したところ、対人的距離化スキルは、全般的には前期から後期にかけて漸次行使頻度を増していく傾向があることや、行使相手別の検討では青年期中期段階における対人関係の広がりと後期での排他性の高まりを反映して距離化スキル行使傾向が変化している可能性がうかがえた。また、相手に応じた対人的距離化スキルの使い分けは青年期前期段階では明確に行われていないことも示された。 これらの調査結果からは、対人的距離化スキル行使に寄与する社会的情報処理傾向を検討する際に主体の属性や対象との関係を考慮する必要性や、対人的距離化スキル獲得の道筋を探るさいに青年期における変化に着目する重要性が示されたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の妥当性や今後の詳細な調査・実験デザインを検討するために予備的調査を実施した結果、25年度で当初実施予定の調査が26年度に延期になったため。しかしながら、予備的調査の結果は今後の計画に示唆を与えるものであったため、これは計画推進上必要な手続きであったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
予備的調査の結果を踏まえたうえで、おおむねは当初の研究計画に従う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度の計画として当初予定していた調査実施がが26年度へ延期になり、それらに関わる諸経費が使用されなかったため。 上記調査のために使用予定である。
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Research Products
(2 results)