2015 Fiscal Year Annual Research Report
介護老人福祉施設の生活相談員による入居者家族への支援に関する実証的研究
Project/Area Number |
25870651
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
畑 亮輔 北星学園大学, 社会福祉学部, 講師 (60632528)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 介護老人福祉施設 / 生活相談員 / 入居者家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間全体を通して、生活相談員による入居者家族に対する支援の文献レビュー(2013年度)、A県内の全介護老人福祉施設の生活相談員(各施設1名)を対象とした入居者家族支援に関する自記式郵送調査(2014年度)、ならびに郵送調査において追加調査協力に同意を得た16名の生活相談員(各施設1名)にするインタビュー調査(2015年度)をそれぞれ実施し、介護老人福祉施設における入居者家族支援について探索的に明らかにした。 まず、文献レビューを通して、相談員による入居者家族支援として、入居者家族への心理的な支援、苦情対応、そして入居者と入居者家族との関係性の構築という3点がこれまで検討されてきたことを整理した。またこの整理から、相談員による入居者家族への支援については非常に限定的な研究しか行われていない現状を明らかにした。そこで、相談員が入居者家族を対象としてどのような支援を実施しているのかを網羅的に把握するために、自由記述によるアンケート調査を実施した。アンケート結果についてコレスポンデンス分析を行った結果、相談員による入居者家族支援について「利用者の日頃の介護や受診及びそれに付随する苦情への対応」「制度等に関連する説明や連絡」「施設の行事等に関する計画及び各種報告の作成」「入居者家族との協働」そして「相談や代行など入居者家族に対する支援」という6つの因子があることが示唆された。しかしながら、自由記述形式でのアンケート調査では、回答の量・質に大きなばらつきがあり、この6つの因子を構成概念とする相談員による入居者家族支援の仮説モデルを検討するには課題があると判断し、さらにこの実践について掘り下げることを目的としてインタビュー調査を実施した。インタビュー調査に対する分析の結果、入居前・入居初期中期・体調変化時・最終段階と各プロセスに応じた入居者家族支援が行われていることを明らかにした。
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