2014 Fiscal Year Research-status Report
線溶機能を搭載した経気道投与型DDSを基盤とする肺線維症治療の新発想
Project/Area Number |
25870654
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Research Institution | Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy |
Principal Investigator |
丁野 純男 北海道薬科大学, 薬学部, 教授 (90347790)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺線維症 / 経気道局所治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】肺線維症は、高度の線維化により蜂巣肺を形成する難治性疾患であり、吸入型DDSによる優れた治療薬の開発が望まれている。肺線維症では肺胞上皮細胞が傷害され、肺胞の閉塞化などの構造変化が生じる。本研究では、肺線維症モデル動物に薬物を肺投与した際の肺内動態について検討した。 【方法】ラット及びマウスに、ブレオマイシンを肺投与することで肺線維症モデル動物を作成した。インドシアニングリーンを肺投与し、肺内動態をin vivo imaging装置(Clairvivo OPT plus; 島津製作所)を用いて評価した。また、6-CF、FD-4、-10、-70及び-250を肺投与後の、血漿及び気管支肺胞洗浄液中薬物濃度から、薬物の肺内滞留性を評価した。さらに、肺胞細部への到達性をmicro-CT imaging装置(Latheta LCT-200; 日立アロカメディカル)を用いて評価した。 【結果および考察】肺線維症マウスにおいて、肺におけるインドシアニングリーンの蛍光強度は、速やかに減弱した。また、肺線維症ラットにおいて、6-CF、FD-4、FD-10及びFD-70を肺投与後の血中濃度は、正常群よりも高い値で推移し、反対に気管支肺胞洗浄液中の残存量は正常群より低い値を示した。一方、肺線維症マウスにイオパミドールを肺投与した場合、線維化の進行部位には薬物が到達しにくいことが示された。これらの結果は、肺線維症発症時には薬物を肺投与しても、肺胞中に滞留せずに血中へ漏出しやすいうえ、病巣である線維化進行部位には薬物が到達できないという問題点を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに実験が展開されており、予想される実験結果が得られている。そのため、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究体制(協力者による支援など)が今後も維持できる見込みであり、今後も計画通りに研究が遂行できると考えている。
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Causes of Carryover |
所属機関のキャンパス移転準備により、年度内に再現性の確認実験1件が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
できる限り早い時期に再現性の確認実験を行い、次年度使用額を消費する。
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Research Products
(5 results)