2014 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の家族介護者への支援システム構築に関する研究
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25870655
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Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
黒澤 直子 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (60382529)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知症 / 家族介護者 / 社会福祉専門職 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年に実施した認知症高齢者の家族介護者への質問紙調査の結果から、昨年度はその介護のプロセスのなかでどのように社会福祉専門職とかかわりを持っているのかを中心に分析を進めた。 その結果として、認知症の介護を始めた初期の段階で相談のかたちでの支援を求めていることが明らかとなった。特に医療機関のソーシャルワーカーや地域包括支援センターの社会福祉士への期待が高く、初期に関わることが多い施設・機関での相談による支援を求めていることがわかった。 また、介護のプロセスのなかでは、その時期によって求めている支援も変化していくことが明らかとなった。初期には相談による支援を求める割合が高いという結果が出たが、時期を追うごとにデイサービスやショートステイなどの具体的な介護サービスを必要とするようになり、その後は社会からの認知症への理解や認知症介護に対する理解を求める割合が高まるという傾向がみられる。認知症によるBPSDなどの症状の変化によって、家族介護者の介護の内容も変化し、必要とされる支援内容にも変化が生じると考えられる。 これらの分析結果については、今後、家族介護者に対して個別に面接による調査を行うにあたって、より詳細な分析につなげるための資料となった。また、支援側である医療機関のソーシャルワーカーや地域包括支援センターの社会福祉士へ認知症高齢者の家族介護者との関わりや支援のあり方について調査を行う際の基礎資料とすることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認知症高齢者の家族介護者への質問紙調査の実施に際して、家族会との調整等に時間を要したため、その結果の分析なども遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は質問紙調査の分析結果を基礎資料として、家族介護者への面接によるインタビュー調査を実施する。また、医療機関のソーシャルワーカーを対象として、支援者側からの家族介護者への関わりについて調査を実施する。
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Causes of Carryover |
初年度の認知症高齢者の家族介護者への質問紙調査の実施が遅れたため、結果の分析にも遅れが生じたためである。これらにより、実施予定であった家族介護者へのインタビュー調査と医療機関のソーシャルワーカーへの質問紙調査ができず、次年度に実施することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
認知症高齢者の家族介護者へのインタビュー調査実施による謝金、および医療機関のソーシャルワーカーへの質問紙調査実施にかかる手数料・事務的な経費等により使用する予定である。
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