2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25870661
|
Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
原口 和也 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (80453356)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | アルゴリズム / 組合せパズル / ラテン方陣 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では「数独」や「不等式」などのラテン方陣完成型パズルを取り扱っている。平成26年度は課題名にある「パズルベース」をウェブ上で公開した。当該サイトでは訪問者が「計算ブロック」および「不等式」で遊ぶことができる。また前年度に引き続き、計算機科学の観点から研究を推し進め、成果を上げることができた。 一般のラテン方陣完成型パズルでは、「部分ラテン方陣」が与えられる。部分ラテン方陣とは、n×n盤面に対する1以上n以下の整数の部分割当であって、「どの行、およびどの列を見ても、同じ整数は2度以上現れない」(ラテン方陣条件) というものである。プレイヤーは空きマスに1以上n以下の整数を割り当てなければならないが、ラテン方陣条件のみならず、各パズルに固有の制約条件を満たすようにしなければならない。 プリミティブな関連問題の1つである、「部分ラテン方陣最大拡張問題」について研究を行った。これはラテン方陣条件のみを対象としたパズルと見なせる。前年度に提案した高速局所探索アルゴリズムを深化させ、より強力な「格子近傍」に基づいた局所探索アルゴリズムを開発することができた。格子近傍に基づいた反復局所探索法は、25年度に提案した手法のみならず、最先端の最適化ソルバである IBM ILOG CPLEX や LocalSolver よりも、優れた解を短時間で出力することを確認した。この成果は CPAIOR 2015 国際会議において発表予定である。 ラテン方陣完成型パズルは、できるだけ多くの空きマスに整数を割り当てる最大化問題とみなせるが、前年度から行ってきた近似可能性に関する研究成果を取りまとめた。この成果は Journal of Information Processing に掲載される予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り、ラテン方陣完成型パズルに関連した「部分ラテン方陣最大拡張問題」について計算機科学の観点から研究を進め、強力な局所探索アルゴリズムを開発することができた。当初掲げた課題から派生したテーマに対する成果とはいえ、このことは1つの到達点として評価されるべきものと考えている。一方で当初課題たるパズルの自動生成については、ウェブサイトにおいてユーザーからのフィードバックを受け付けているが、期待していたほどそれが集まっていないのが現状である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ウェブユーザーからのフィードバックを効果的に得るため、GUIの改善やSEO対策を行う必要があるかもしれない。
|