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2013 Fiscal Year Research-status Report

歯由来幹細胞の口蓋裂部移植におけるMTAの役割

Research Project

Project/Area Number 25870663
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionOhu University

Principal Investigator

前田 豊信  奥羽大学, 歯学部, 助教 (10382756)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords骨 / 再生 / MTA / 糖代謝
Research Abstract

今年度は以下の3点について主に解析を行った。
1.MTA (Mineral trioxide aggregate)の石灰化機構解析を行い、新たに小胞体ストレス経路が関係することを分子生物学的に解明した。この結果は現在、学会および論文発表準備中である。また、この下流に、脂質代謝で中心的な役割を果たすSREBP(Sterol regulatory element-binding protein)が関連する可能性があり、この事についても現在解析中である。
2.SHED (stem cells from human exfoliated deciduous teeth)やDSPC (adult dental pulp stem cell)などの石灰化には、糖代謝が深く関与することが知られているが、新たに糖代謝に深く関わる、中間代謝産物を培地中に添加することにより、分化・石灰化が非常に早く進行することを突き止めた。これについて分子生物学的に解析をした結果、G protein-coupled receptor とその下流のGs、MAPK経路が関与する可能性が深まった。これらの結果は現在、学会および論文発表準備中である。さらに、この石灰化促進は、生体に存在する代謝産物を応用するため、非常に安全なものである。従ってこの技術は広く社会に貢献できるものと考え、現在特許出願準備中である。またこの石灰化はBMPsシグナルとsmadのリン酸化促進に関与するため、現在この機構を詳細に解析中である。
3.MTAと上記の代謝産物を人工的骨欠損を作成したラットに応用し、解析を行った。これらで石灰化促進作用は認めたが、この結果は現在、詳細に解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1.MTAによる分化誘導の解析  培地中にMTA添加して、骨分化を誘導する機構の解析がほぼ完了している。一部RNA干渉の実験を残しているが、現在行っており、解析中である。この結果は成果発表準備中である。この点においては、当初の予定以上の成果が上がっていると考えられる。しかしscaffoldとしての機能の解析が、現在のところ進捗しておらず、26年度の課題である。
2.骨分化におけるグルコース代謝の影響  今回新たに発見したグルコース代謝産物の影響をRNA干渉等によって詳細に解析を行い一連の機序をほぼ解明できた。この結果は広く社会に貢献できるものと考え、現在特許出願準備中である。このため発表を一部控えているが、当初の予定以上の成果が上がっていると考えられる。一方で、この下流シグナルが、脂質代謝とのクロストークが生じる可能性を見いだしたため、26年度の検討課題とする。
3.in vivoの実験計画は若干遅れ気味である。この理由として、糖中間代謝産物を動物に応用できる形状に加工するのことに難航したためである。しかし現在は、委託先が見つかり、実験結果を解析中である。この実験については、概ね良好な結果が得られている。しかし、この実験に予想以上の時間がかかったためin vivoでのMTAの解析は現在のところ、行えていない。この点は26年度の課題である。
全体として当初の予想をはるかに上回る量の知見が得られており、一部は予定以上に進捗していると言える。一方、そのために、予定よりも遅れている実験もある。これらのことから、概ね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

一部遅れている実験もあり、その対策も含めて26年度は以下の4手段にて研究を遂行する予定である。
1.当初予定してたin vivoではなくin vivoの実験に切り替えてMTAのscaffoldとしての機能を解析する。このことで、MTAの口蓋裂への影響と、scaffoldとしての影響を解析できる。
2.一部のin vitro実験においてknock down の影響が不明瞭なものがあるため、RNA干渉ではなく、新たにCrispr / Cas9 systemをMassachusetts Institute of Technologyから譲り受けた。これにより、shRNA stable clone の樹立に長時間を費やしていたのが解消でき、遅れを解消できるのみならず、特定遺伝子の機能解析に明確な結果が得られると考える。
3.グルコース中間代謝産物の影響の解析として、脂質代謝(特にSREBP)とのクロストーク、BMPシグナル経路(特にsmadのリン酸化)含めた解明を行う。これは、今までの検討の結果から、新たに重要な知見が得られる可能性があるためである。
4.グルコース代謝とMTA作用機序の相互作用の検索において、細胞外マトリックスの発現機構を中心に解析を行う。この理由として、共に特定の細胞外マトリックスの有意な発現が観察され、これが石灰化促進作用において中心的役割を演じていると推察されるためである。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

予定していたin vivo実験の遅れから、福島県ハイテクプラザの施設使用ができなかっため、それに関わる使用料が、所要額との差額となった。
26年度は福島県ハイテクプラザのマイクロCT施設を使用する。これに前年度繰り越し額を充当する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Acidic extracellular microenvironment and cancer.2013

    • Author(s)
      Kato Y, Ozawa S, Miyamoto C, Maehata Y, Suzuki A, Maeda T, Baba Y.
    • Journal Title

      Cancer Cell Int.

      Volume: 13 Pages: 89

    • DOI

      10.1186/1475-2867-13-89.

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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