2013 Fiscal Year Research-status Report
学校教育におけるネットトラブルの問題対応支援システムの開発と評価
Project/Area Number |
25870675
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
池辺 正典 文教大学, 情報学部, 准教授 (10453440)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ウェブマイニング / テキストマイニング |
Research Abstract |
近年の学校運営においては,インターネットに関連したネットトラブルが発生するケースが増加している.当該問題への対応は,情報収集のための補助ツールの提供等にてネットトラブルを予防する方式での対応が過去の事例としては多い.このため,本研究では,ネットトラブルが発生した後の問題対応段階において有効である情報の提供を行うことを目的としている. 本目的を達成するために本研究の当該年度の取り組みとしては,(1)類似したネットトラブルの判定,(2)ネットトラブル発生時の情報拡散状況の分析,(3)インターネット上の人間関係抽出の3点について有効な情報を得るためのアルゴリズムの検討を行った.また,アルゴリズムの有効性を確認するために,インターネットからの情報収集部分等について試作プログラムを作成し簡易的な情報収集を行った.試作プログラムの情報収集対象となるインターネット上のメディア媒体としては,近年では学校運営でも多くのネットトラブルが見られるようになったマイクロブログに設定した.そして,同時に手動によりマイクロブログを対象としてネットトラブルの具体的な事例についても収集を行った.この取得事例の情報と前述の試作プログラムによる情報収集結果を比較することで,取得する情報の精度を向上するために,アルゴリズムの修正と試作プログラムで情報収集に利用している言語資源の蓄積をさらに進め,精度向上のための取り組みを行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該研究の目的は,ネットトラブルの類似度判定,ネットトラブルの情報拡散状況分析,インターネット上の人間関係の抽出の3点からなるが,ネットトラブルの情報拡散状況分析とインターネット上の人間関係抽出については既に情報取得用の試作プログラムを作成しており,概ね計画どおりである.また,ネットトラブルの類似度判定については事例収集の上で判定処理に用いるための言語資源の蓄積を行っているが判定処理において充分な精度を得るための言語資源の蓄積が完了していないために,当初計画よりも若干の遅れが見られる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究を推進する上での課題としては,ネットトラブルの類似度判定部分において事例をさらに蓄積することで,有効な精度を得たいと考える.このための取り組みとして,試作プログラムによる情報収集を今後はより大規模に実施することで,有効な言語資源の蓄積を行う.また,情報波及分析および人間関係抽出については,試作プログラムの精度をさらに向上するための取り組みとして,具体的な事例を種類を増やし,各種事例への対応が可能であるかの検証を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の計画においては,最初に手法の検討を行った後に,それを検証するためのモジュール試作および事例による検証という段階で進める予定であったが,手法検討に遅れが生じたために,事例検証段階で確保する作業人員が計画よりも遅くなった.このため,作業人員が利用する物品の購入も次年度に見送ったことが次年度使用額が生じた主な要因である. 昨年度に計画の遅延により購入の見送りした物品を当初計画通り購入する.また,年次当初より人員の確保を行うことで,計画の遅延を回復する見込みである.
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