2014 Fiscal Year Annual Research Report
学校教育におけるネットトラブルの問題対応支援システムの開発と評価
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25870675
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
池辺 正典 文教大学, 情報学部, 准教授 (10453440)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 情報リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の学校運営では,児童・生徒がネットトラブルに巻き込まれるケースが増加しているという課題がある.当該問題への対応として,ネットトラブル等における情報拡散の問題対応段階で有効な情報を提供するために,(1)情報拡散の時系列での状況変化,(2)インターネット上での人間関係と情報拡散の2点について情報収集システムの開発と情報拡散の分析を行った.情報の拡散状況を確認するにあたっては,情報拡散に大きな影響を及ぼすマイクロブログのサービスを対象とした. 分析対象とした事例は,学校関係の情報拡散事例とし,拡散の範囲が学校内で留まるケースであると考えられる反応人数が100名以下の小規模な拡散事例について情報収集を行い,その内容を分析した.最初に,時系列の状況変化については,拡散の開始から5時間程度までの拡がりが非常に強く,最終的な拡散範囲の約7割程度までに拡散が進むことが確認された.そして,一旦拡散が収束した後に,24~30時間経過後に拡散が再加速するケースが多く,48時間経過後には約9割程度まで拡散が進むという傾向が見られた.次に,人間関係と情報拡散については,情報拡散元の隣接ノードと非隣接ノードの比率の分析を行った.反応ノードの比率としては,時間経過とともに非隣接ノード比率が上がり,24時間経過後には隣接ノードよりも非隣接ノードの反応数が多くなることが確認できた.このことから,マイクロブログの場合には,隣接ノードへの拡散は一日程度で収束し,発信元より2ノード以上離れた拡散がその後に進行すると考えられる.そして,小規模な情報拡散事例における隣接ノードの比率は最終的に65%程度であり,この比率が大幅に減少する場合には,大規模な情報拡散に進行している可能性があると考えられる.この段階において,追加の関連情報の掲載があるケースにおいては,大規模な情報拡散に変化する事例についても確認された.
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