2014 Fiscal Year Research-status Report
プロスタグランジン類の生理活性調節による低酸素性虚血性脳症の治療戦略
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25870677
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
吉川 圭介 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (10435860)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロスタグランジン / 興奮毒性 / 神経細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
低酸素性虚血性脳症(HIE:Hypoxic-ischemic encephalophaty)は脳内グルタミン酸濃度上昇による興奮毒性誘発神経細胞死により引き起こされる脳障害であり、新生児死亡、脳性麻痺、発達障害の原因となり、これらに有効な治療戦略を開発し新生児を救うことは我々の社会的に重要な使命である。 申請者はHIEの実験的モデルとしてグルタミン酸アゴニストで興奮毒性を引き起こすカイニン酸(KA)を用い、ラット海馬における脂質メディエーター産生をLC-ESI-MS/MSを用いた網羅的解析により詳細にプロファイルした。産生されるPGは、PGF2alpha、PGE2、PGD2の産生量が特に多く、すべてがKA投与後24時間以内に二相性の産生を示した。 さらに非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を用いたPG産生阻害試験、神経病理学的解析により、初期相・後期相で構成される二相性PGがどちらもKA単回投与後30日以上も続く持続性神経細胞死に関与し、NSAIDのPG産生抑制により神経細胞死が抑制されることを見出し、それらが新規な治療戦略となることを明らかとした。本研究はさらに特異的なPG産生抑制による、持続性神経細胞死抑制効果を見出すことを目的としている。前年度は種々のPG産生抑制剤の検討を行い、各種阻害剤におけるPG産生プロファイル作成を行った。今年度は、各種PGの低酸素性虚血性脳症モデルラット海馬における生理活性を明らかとした。 本研究の進展により興奮毒性を介した脳障害の治療におけるPG製剤の効果的なプロトコールを明らかにすることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は各種PGの低酸素性虚血性脳症モデルラットの海馬における生理活性を明らかとした。おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
各種NSAID、PG受容体作動薬・拮抗薬を用いてPG生理活性制御・調節を検討する。乳幼児HIEモデルの結果を新生児HIEモデルに応用する。
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Causes of Carryover |
購入予定試薬の納品が予定より遅れたため、翌年度支出となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定通り、試薬購入費として支出する。
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