2015 Fiscal Year Research-status Report
脂肪肝形成抑制効果を有するいんげん豆抽出物中の生理活性成分の同定と有効性の検証
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25870681
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
瀬尾 誠 福山大学, 薬学部, 講師 (10406473)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | いんげん豆 / リノール酸 / 肝細胞 / 脂肪滴蓄積 / 生理活性成分 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、ヒト培養肝細胞を用いたin vitro脂肪肝形成モデルに対して顕著な抑制効果を有するいんげん豆抽出物からC18カラムを用いて固相抽出した分画中の生理活性成分の同定を目指した検討を行った。 市販のいんげん豆を購入し、クルードないんげん豆抽出物を従来通り調製して前年度同様固相抽出による分画作製と限外濾過法によるペプチド成分の分画作製を行った。各分画における脂肪肝形成に対する改善効果の評価は、ヒト肝臓がん細胞HepG2細胞ならびにヒト初代培養肝細胞を用いたin vitro脂肪肝形成モデルを用いた。各培養肝細胞に、高濃度長鎖脂肪酸を添加するのと同時に各分画を添加し、24時間後にOil Red O染色して細胞内への脂肪滴蓄積の程度を形態学的に評価した。また別に各処置を行った細胞をOil Red O染色後、100%イソプロパノールで色素抽出して測定した吸光度の減少を指標に脂肪滴の減少を評価した。 しかし、前年度では顕著な脂肪滴蓄積抑制効果を認めた分画において、今年度はその効果が思った程認められなかった。おそらく購入したいんげん豆の収穫年度や購入先が異なったためと考えられたため、複数回のいんげん豆の購入し直しや分画調製のやり直しを行うこととなった。前年度よりも脂肪滴蓄積抑制効果は弱くなったが、ある程度の生理活性を有する分画を得ることはできたので、次年度に活性成分同定および動物実験に必要な分画の調製まで行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成 27 年度は、研究代表者が埼玉医科大学から福山大学薬学部に異動したため、研究試薬・備品の移動や福山大学での研究環境のセットアップに時間がかかった。また本研究課題へのエフォートの配分が減少したため、研究の進行度が大幅に遅れている。 また前年度までに見出していた脂肪滴蓄積を抑制することが期待できるいんげん豆抽出液から固相抽出した分画を作製して培養肝細胞を用いた in vitro 脂肪肝形成モデルで脂肪滴蓄積抑制効果を確認したのであるが非常に活性が弱かったため、いんげん豆からの抽出物作製を何度もやり直す必要が生じたことも進捗が遅れた一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、派遣会社の研究補助員の雇用を維持し、 LC-MS などの分析機器を用いて生理活性成分の同定を試みる。 また動物実験では、当初 in vitro 実験で最も効果の高いと考えられる分画中から同定した活性成分を用い、高脂肪食負荷マウスでの脂質異常症改善効果を検証する予定であったが、活性成分の同定ができる時期によって in vitro 実験で最も効果の高いと考えられる分画を用いて脂質異常症改善効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度より研究代表者が埼玉医科大学から福山大学に異動したため、試薬や物品の移動と実験環境のセットアップを行うなど研究開始まで時間を要したため、次年度に持ち越す研究費が発生した。 また異動後の研究へのエフォートが減少し、研究の進捗が大幅に遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間延長を承認していただき、次年度に残った研究費を繰り越した。また昨年度末頃から研究費目を消耗品から人件費に切換えて派遣会社から実験補助員を雇用して研究を推進している。 次年度も実験補助員を引き続き雇用し、より強い活性成分の含む分画を用いて動物実験を行い、併せて分画中の活性成分の同定までを試みる予定である。
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