2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25870682
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
杉本 希映 目白大学, 人間学部, 講師 (90508045)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 学校支援ボランティア / 大学生 |
Research Abstract |
平成25年度は、研究目的のかかわる実践として、大学生の学生支援ボランティアを15名小学校に派遣し、1年間活動のサポートを実施した。区の教育委員会と連携し、学生と学校のマッチングを行い参加校を決定し、5月中旬から活動が開始された。活用校に対しては、「ボランティア活用にあたってのガイドライン」を配布し、情報を共有した。学生に対しては毎週の授業においてサポートを行った。まず「活動のガイドライン」という配布資料により、ボランティア活動をするにあたっての基本的な事項の確認を行った。以降は、学生の活動状況に応じて、傾聴やコミュニケーション・スキル、危機介入などの講義とロールプレイによる実習、グループでのシェアリング、事例検討などを行った。15名の学生が、1年間の活動を継続し、3月で終了となった。 上述の研究実践の中で、研究計画の研究Iと研究IIの予備調査を実施した。研究Iの学校・大学生の学生支援ボランティアについてのニーズ把握という目的に沿って、学生側と学校側のニーズ把握を自由記述によって行い、現在分析中である。研究IIの大学生による学校支援ボランティアの効果測定については、2つの調査を行った。第一に、大学生を対象とし、活動前には「社会人基礎力」「子どもの問題行動に対する困難度」を、活動後には、活動前と同様の「社会人基礎力」「子どもの問題行動に対する困難度」に加え、「先生の変化」、「授業におけるサポートの評価」と自由記述により「自分自身の変化した点・成長した点」を質問紙によりデータの収集を行った。第二に、活用学校を対象に、「ボランティア活用による変化」「ボランティア活用の満足度」を質問紙によりデータ収集した。学生・学校対象のアンケート調査は、現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画は、おおむね順調に進展していると評価する。研究Iの自由記述のアンケート調査の実施と分析は、実施しており計画通りである。研究IIについては、予備調査から尺度を独自に開発する計画であったが、この研究実践で以前から使用されている尺度がありデータの蓄積もあるため、この尺度の仕様を採用することにしたため、初年度からデータの収集ができており、計画よりは進んでいる状態である。研究IIIに関しては、2年度目が研究のメインとなるため、初年度はこの研究の学内倫理審査に申請し倫理委員会からの承認を得ることができた。 学会発表については、日本学校心理学会において、「大学生による学校支援ボランティアについての事例検討」というテーマでポスター発表を行い、授業を通して1年間サポートするシステムを紹介するとともに、学生、ボランティア活用教員、管理職に対して実施したアンケート調査の結果を踏まえながら、活用により生じた変化について発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究I・IIについては、分析を進め、結果をまとめていく。 研究IIIに関しては、質問紙調査により量的データを収集し統計的手法での分析を計画していたが、研究実践を進める中で、量的な調査よりも、質的なデータを丁寧に分析する方が適しているのではないかと考えた。したがって、研究IIIのボランティアによる効果の探索的検討は、インタビュー調査により質的なデータを収集し、修正版グランデッドセオリーアプローチによる分析に変更することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年の使用額が計画より少なくなったのは、調査全般を申請者が実施したこと、分析がすべて行えていないため人件費が抑えられたことと、また予定していたデジタルカメラの購入を大学の個人研究費で賄えたことが理由である。 次年度は、調査と分析が最も多くなる計画であるため、研究補助としての人件費が多くかかる予定である。翌年分として請求した助成金は、人件費として主に使用することを計画している。
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