2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study for factors of facilitating adaptation to university and development of a support program for truanting university students
Project/Area Number |
25870684
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
加藤 陽子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (40409701)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大学生 / 学校不適応 / 登校行動維持 / 登校支援 / 登校行動持続要因 / 学生相談 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大学生の登校維持に関する要因を検討するとともに,学校適応のための支援モデルを検討することを目的としている。 これまで,登校行動を持続させる要因の保有数が実際の登校行動と関連することが明らかとなっている(加藤、2017;加藤、2016など)。本研究では,登校行動持続要因の保有数および実際の登校率に影響を及ぼす要因を検討すべく,精神的回復力に着目した。 具体的には、精神的回復力や登校行動持続要因の保有数と登校率・出席率との関連について縦断的に検討するため,7月の精神的回復尺度の各下位尺度を説明変数,7月の登校行動持続要因保有数を媒介変数,1月の持続要因保有数・登校率・出席率を目的変数とした強制投入法による繰り返しの重回帰分析を行った。 分析の結果,精神的回復力尺度のうち,7月時点の肯定的な未来志向が同時点の登校行動持続要因の保有数を介し,1月の持続要因保有数および登校率,出席率を高めることが明らかとなった。すなわち,精神的回復力の中では,将来の見通しは明るいと感じる,将来の目標のために努力しているなどの肯定的な未来志向が高い者ほど,登校行動持続要因を多く保有しており,のちの持続要因保有数も多く,登校率や出席率も高い傾向にあったといえる。 登校行動持続要因の保有数の多さが登校率の高さと関連することを勘案すると,登校行動持続要因保持および登校率,出席率の向上のためには,特に肯定的な未来志向の上昇に介入し,持続要因を増加させることが必要だと考えられる。また,大学生活においては,夏休み前の登校行動持続要因の保有数がその後の登校行動持続要因の保有数の多さにつながる可能性が示唆されたことから,継続的登校のためには定期的に保有数の検討を行う必要があることも示唆された。
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Research Products
(1 results)