2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25870691
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
松尾 和彦 帝京平成大学, 薬学部, 助教 (70599753)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中心体 / 中心小体複製 / 細胞周期 / 中心体周期 |
Research Abstract |
申請者は、S期における中心体蛋白質kendrinの機能解析を通して、中心小体複製開始の分子機構を解明する事を目的として研究を行っている。 平成25年度の研究計画は、第1にkendrinとCep152の相互作用及び機能的連関を明らかにする事である。申請者は、kendrin が中心小体複製の開始に関与する蛋白質Cep152 と相互作用する事を見出している。そこで、kendrin とCep152 が、どの領域を介して相互作用するのかをそれぞれの欠失変異体を用いて検討したところ、kendrinのカルボキシル末端領域とCep152のアミノ末端領域が相互作用する可能性を見出した。また、免疫染色を行ったところ、細胞周期を通してkendrinとCep152の中心体局在が変化している可能性を示すデータを得た。現在はkendrin、またはCep152をRNAiにより発現抑制した際の表現型について解析を行っている。 第2に、Cep152以外のkendrinに結合する蛋白質の解析に関して、中心小体複製開始に関与する事が報告されている蛋白質をkendrinとHEK293T細胞内にて共発現させ、免疫沈降を行った。その結果、いくつかの蛋白質とkendrinが相互作用する可能性を示す結果が得られた。同時に、G1/S 期に同調した細胞の抽出液中からkendrin を免疫沈降し、共沈されてくる結合蛋白質を質量分析により同定したいと考えており、現在、解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者が、平成25年度の研究計画として予定していたのは、(1) kendrinとCep152の相互作用及び機能的連関を明らかにする事と、(2) G1/S 期の細胞においてCep152以外のkendrinに結合する蛋白質を明らかにする事、の2点である。前者に関しては、kendrinのカルボキシル末端領域とCep152のアミノ末端領域が相互作用する事を明らかにする事ができ、当初の計画をおおむね達成できたと考えている。また、kendrin及びCep152のRNAiによる表現型の解析も進んでおり研究計画は順調に進展しているものと考えられる。後者に関しても、kendrinと相互作用を示す可能性のある蛋白質を何種類か見出しており、研究計画に問題はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、中心小体複製には分裂期におけるPlk4 の活性が必要であると考えられている。申請者は、kendrin とPlk4がG2期から分裂前期にかけて急激に中心体へ集積する事、及びkendrin が分裂期に高度にリン酸化される事を見出しおり、kendrin がPlk4 の新規基質である可能性を明らかにしたいと考えている。 そこで、kendrinのPlk4との相互作用、及びPlk4によるリン酸化実験を行い、kendrin のリン酸化が中心小体複製に関与する可能性についての検討を行う。また、Plk4 がkendrin を基質としない場合は、他の中心体蛋白質についてもPlk4との相互作用や基質になる可能性ついて検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
kendrinに結合する蛋白質の探索を目的としてYeast two hybrid system用のライブラリーの購入を予定していたが、免疫沈降法を用いた解析を行ったところ、候補蛋白質をいくつか見出すことができたので、購入を留保している。 免疫沈降法で見出した候補蛋白質とkendrinとの機能的連関が明らかになれば、更なる詳細な解析のための予算として用いる予定である。 仮に、上記蛋白質の解析が滞った場合には、Yeast two hybrid systemを用いて新たに結合蛋白質の探索を行うための予算として計上する予定である。
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Research Products
(3 results)