2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25870691
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松尾 和彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70599753)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中心体 / 中心体複製 / 細胞周期 / 中心体周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、S期におけるkendrinの機能解析を通して、中心体複製開始の分子メカニズムを解明する事を目的とするものである。これまでに、kendrinがカルボキシル末端領域を介してCep152と相互作用する事を見出した。さらに、siRNAによるkendrinおよびCep152の発現抑制を行った細胞の中心体領域では、一方のタンパク質局在が減少すると他方のタンパク質局在も減少する事が分かった。従って、kendrinとCep152が複合体を形成する事が中心体局在に必要である可能性が考えられた。また、免疫沈降実験よりkendrinは中心体複製の開始に重要な役割を果たすリン酸化酵素PLK4との間で内在性分子同士の相互作用を見出した。しかしながら、KendrinとPLK4の相互作用についてkendrinの欠失変異体を用いて免疫沈降実験を行ったところ、PLK4との相互作用が検出できなくなった。そこで、我々は細胞周期をG1/S期に同調した条件でkendrin欠失変異体とCep152の相互作用についての解析を行ったが、この条件においてもやはり相互作用は検出されなかった。現在はkendrinが他の分子を介してCep152と相互作用する可能性も考えられるため、Yeast Two Hybrid法を用いてkendrinとCep152の両方に相互作用する分子の検討を行っている。 この研究を実施していた過程で、kendrinのsiRNAを行った細胞ではG0期に繊毛形成が著しく低下する事が明らかになった。これは、kendrinがM期からG1期において中心体複製のライセンシング機構としてSeparaseに切断を受けた後も、すぐに中心体に再集積し繊毛形成機構に関与する可能性を示すものであり、今後の中心体研究においても非常に重要な発見であると考えられる。
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