2014 Fiscal Year Research-status Report
いじめの未然防止を目的とした生徒同士で行うツボ指圧プログラムの構築と有効性の検証
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25870692
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
宮崎 彰吾 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 講師 (40581971)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | いじめ / ストレス / M-Test(経絡テスト) / 経穴 / タッチ(触刺激) |
Outline of Annual Research Achievements |
【当該年度に実施した研究の成果】教育現場における「いじめ」加害の最たる原因はストレス感情であることから、有用なストレスマネジメントの構築が望まれている。我々は、調査協力を得た公立小学校の5年生を対象としてM-Testを段階的に指導するプログラムを実践し、いじめ加害やストレス感情に及ぼす影響について検討した。その結果、女児のいじめ加害経験頻度を改善させた。さらに、ストレッサーが増加したにもかかわらず、いじめ加害の一因であるストレス感情を緩和させ、いじめ加害経験頻度が改善したことから、レジリエンシーを高め、いじめ加害を未然に防いだ可能性を示した。 【具体的内容】公立小学校1校に在籍する5年生65名のうち、保護者および児童本人から同意を得た41名(男子19名、女子22名)を調査参加者とした。調査期間は3か月間で、その前後に質問紙にて「いじめの加害経験頻度」、「学校適応」、「ストレス感情(4尺度)」、「ストレッサー(4尺度)」に関する回答を求めた。介入は、指導者がM-Testを段階的に指導するプログラムとし、1回につき15分程度、計10回にわたって放課後に小学校内にて実施した。M-Testは、頚の6動作から検索した上肢に位置する経穴への軽いタッチ(軟らかい円錐型の微小突起を持つ非能動型接触針による皮膚刺激)を児童自らまたは同性の児童同士で互いに実施し合うものとした。その結果、介入期間前後ともに調査に参加した28名について検討したところ、男児においては差がなかったが、女児においては、介入期間前から介入期間後に有意な改善がみられた。「いじめ加害経験尺度」に改善がみられた女児10名において、教師ストレッサー尺度の変化量(β=-1.17)、身体的ストレス尺度(β=0.50)、不機嫌・怒りストレス尺度の変化量(β=0.33)の順に「いじめ加害経験頻度尺度」の変化量に対して有意に関連していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り、本年度は、公立小学校の協力を得て調査を実施することができたため、計画に則しておおむね順調に進展することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に実施した研究には、対照群の設定ができなかったという限界点を伴う。したがって、研究を推進するため、新たな協力校を募集する必要がある。そこで、今後は積極的に研究成果を発表するとともに、iTunesUなどにコンテンツ(M-Testプログラムの説明資料、動画など)を公開する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に予定していた研究成果についての発表が次年度となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果についての発表のため、主に旅費の支出に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)