2014 Fiscal Year Annual Research Report
高速伝送用フレキシブル基板の構造最適化およびチューナブルアンテナへの応用
Project/Area Number |
25870700
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
須賀 良介 青山学院大学, 理工学部, 助教 (20398572)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 銅箔 / 表面粗さ / マイクロストリップライン / 挿入損失 / アンテナ / 利得 |
Outline of Annual Research Achievements |
低損失誘電体基板としてガラスクロスにフッ素樹脂を含浸させた基板を選定し,その誘電率および誘電正接を共振器法により測定した.そして上記基板を用いた100μm厚のマイクロストリップライン(MSL)を設計および試作した.同基板には,無粗化,高周波用途に使われる低粗度,標準の3種の表面粗さの異なる銅箔を用い,表面粗さに対するMSLの減衰定数を評価した.測定結果から,銅箔の表面粗さによって減衰定数は大きく変化し,無粗化銅箔を用いた場合の減衰定数は標準銅箔のそれに比べて半分以下であることがわかった.これより薄型基板の損失は,銅箔の表面粗さによる導体損の影響が多大であることを実験により定量的に確認した.さらにこれらの銅箔の実効比導電率を推定した結果,無粗化銅箔のそれは概ね50GHzまで1で一定であり,表面粗さによる伝送損失の影響が少ないことを確認した. 次に,同基板のアンテナへの応用について検討した.薄型基板を用いたアンテナの設計では放射素子の導体損および誘電体損が無視できないため,反射損を抑えるために一般的に用いられる設計式とは別にこれらの損失を考慮しアンテナの設計および試作を行った.そして各放射素子のQ値は無粗化銅箔で37.7,標準銅箔では19.0と約2倍のQ値が得られることを実験的に確認した.さらに利得は,標準銅箔と無粗化銅箔では3.6dBもの差があることがわかり,開発した基板の有用性を示すとともに,チューナブルアンテナへの応用可能性を示すことができた.
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