2013 Fiscal Year Research-status Report
P. intermedia の溶血活性抑制における歯周炎進行への影響を解析
Project/Area Number |
25870735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 奈緒子 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (60634855)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Prevotella intermedia / 溶血素遺伝子 / 組み換えタンパク質 / 溶血活性 |
Research Abstract |
本研究計画は、Prevotella intermedia の増殖に必要な溶血素遺伝子の溶血活性抑制における歯周炎進行への関与の検討を目的とするものである。 そこで、P. intermediaの増殖に必要な鉄を獲得する溶血素であるhlyA, Iの阻害剤を作製し、その溶血阻害効果を解析するため、hlyA, IをGST融合発現ベクターpGEX6P-1にクローニングし、E. coli BL-21を形質転換した。その後、そのタンパク質が発現誘導がかかるかをSDS-PAGEにより確認を行い、発現に最適なIPTGの濃度(0.5 mM)を見つけた。これらにより目的の組み換えタンパク質の精製を行った。 また、hlyA, Iの欠損株を作製し、溶血活性が抑制されることを目的としているが、P. intermediaの欠損作製方法が確立されていないため、まずはhlyA, Iの活性中心を探すこととした。溶血素が分泌型酵素でシグナルペプチドが外れると活性がおきるのではないかという推測のもと、P. intermedia ATCC25611株の染色体DNAを鋳型としてPCR増幅およびインバースPCR増幅を行い、シグナルペプチドを除いたhlyAをクローニングした。シグナルペプチドを除いたhlyAはpGEX6P-1にクローニング後、E. coli BL21で発現させ、P. intermediaの粗酵素と混合し、溶血活性を液体法によりhlyAとの比較検討を行ったが有意な差はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画どおり、hlyA, IをGST融合発現ベクターpGEX6P-1にクローニングし、E. coli BL-21を形質転換し、目的の組み換えタンパク質を精製することまでは達成できた。しかし、欠損株を作製する過程において当初の推測したような結果がなかなか得られず、再実験を何度も行い、並行して新たに溶血素の活性中心を見出すこととしたため、当初の計画よりはやや遅れた結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
P. intermediaの増殖に必要な鉄を獲得する溶血素であるhlyA, Iの阻害剤を作製し、その溶血阻害効果を解析することを目的とし、現在、hlyA, IをGST融合発現ベクターpGEX6P-1にクローニングし、E. coli BL-21を形質転換し、組み換えタンパク質の精製を行った。今後は、その精製した組み換えタンパク質を用いて、これに特異的に結合する機能的核酸を得るSELEX法を応用し、非対称性PCRによって一本鎖DNAライブラリーを調整し、得られたライブラリ―をターゲットとなる組み換え溶血素タンパク質であるHlyA,Iに結合させ、HlyA,I阻害剤となるDNAアプタマーを選択する。その後、羊、ヒト赤血球と混合して培養し、液体法により溶血阻害を評価し解析を行う予定である。更には、新たにポイントミューテーションを行うことにより活性中心を見出すこととした。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
溶血素欠損株を作製する過程において、当初に推測したような結果がなかなか得られず、欠損株の作製に至らなかった。そこで、まずは新たに溶血素の活性中心を模索し、溶血活性を確認するための備品が必要となったため。 今後は、精製した組み換えタンパク質を用いて、これに特異的に結合する機能的核酸を得るSELEX法を応用し、非対称性PCRによって一本鎖DNAライブラリーを調整し、得られたライブラリ―をターゲットとなる組み換え溶血素タンパク質であるHlyA,Iに結合させ、HlyA,I阻害剤となるDNAアプタマーを選択する。その後、羊、ヒト赤血球とを混合培養し、液体法により溶血阻害を評価、解析を行う予定である。更には、新たにポイントミューテーションを行うことにより活性中心を見出す予定である。そのため、PCRを行うためのプライマー、SELEX法関連試薬、血清、培地等を使用する予定である。
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