2014 Fiscal Year Annual Research Report
P. intermedia の溶血活性抑制における歯周炎進行への影響を解析
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25870735
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 奈緒子 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (60634855)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Prevotella intermedia / 溶血素遺伝子 / 部位特異的変異酵素 / 溶血活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに同定したPrevotella intermediaの溶血素遺伝子の本菌の溶血活性への関与および、その病原性への関与を明らかにするために、P. intermediaの溶血素遺伝子欠損株の作製をエレクトロポレーション法により試みたが、欠損株は得られなかった。 次に溶血素HlyAの酵素学的な性質を解析するとともに、本酵素の活性阻害剤の開発に向けて、本酵素の組み換えタンパク質を精製した。精製したタンパク質を用いて溶血活性をLiquid assay を用いて調べたが活性が得られなかった。そこで、当初の予定では、SELEX法で溶血素阻害剤となるアプタマーを選択し、阻害剤開発を目指していたが、活性のない組換えタンパク質は活性の発現に必須な立体構造を維持できていないと考えられ、アプタマーの選択ができないと判断し、溶血活性に必須の活性部位を検索し、活性部位の阻害薬を創薬のターゲットにすることとした。 その後、部位特異的変異酵素を作製し、plate assayにて溶血活性を調べた結果、本酵素の活性発現に必須のアミノ酸がT28, K30, R52, R59, R141, R184, R196, R250, T287, R303であることを同定した。 今後は、これらの活性部位を特異的に阻害できる阻害剤の開発につなげていく予定である。また、溶血素HlyAは、P. intermediaのみならず、Por. gingivalis, T. forsythiaといった多くの歯周病原性細菌がもつ酵素であり、加えてアミノ酸配列は高い相同性をもつことから、歯周病原細菌の生存に必須である溶血素の溶血活性を阻害することで増殖を抑制し、歯周病の進行を抑制することが可能になると考えられる。
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