2013 Fiscal Year Research-status Report
生後の栄養管理で未熟児網膜症発症を予防するための基礎研究
Project/Area Number |
25870737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
齋藤 雄太 昭和大学, 医学部, 講師 (70407477)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 未熟児網膜症 / 栄養管理 / 子宮内発育遅延 / IGF-1 / VEGF |
Research Abstract |
平成25年度はまずSGAラットモデルを確立することである。妊娠ラットを購入し妊娠15日目から総カロリーは同等の通常蛋白食餌(20%蛋白含有)もしくは低蛋白食餌(10%蛋白含有)を与えて飼育した。10%蛋白食を与えた母ラットから生まれた出生仔ラット(10%群)は20%蛋白食の母ラットから生まれた出生仔ラット(20%群)と比較して出生時体重が有意に低かった。 更に出生後の母乳栄養摂取に差が出るように各群の出生ラットを母ラット1匹に対して7匹もしくは14匹になるように生直後に再配分した。生後8日目、12日目で新生仔ラットを屠殺して、血漿中IGF-1、網膜内IGF-1濃度を測定した。また網膜展開標本を作製してデジタル画像から網膜の全面積、網膜血管領域面積を測定し得られたデータを各群間で比較した。その結果、生後8日目及び12日目ともに10%群の14匹が最も網膜全面積・網膜血管領域面積が小さく、血清中及び網膜内IGF-1濃度が低かった。 同様にSGAラットモデルを作製して、出生直後から酸素負荷を生後14日まで行い、未熟児網膜症ラットを作製した。生後18日目に屠殺して、網膜展開標本を作製して網膜全面積、網膜血管領域面積、網膜新生血管スコアを測定した。また血清・網膜IGF-1を測定した。その結果10%群では網膜面積、網膜血管領域面積が20%群と比べて小さく、血清・網膜IGF-1濃度が低かった。網膜血管新生スコアは差が認められなかった。 酸素負荷の実験では、より成長抑制が強く10%群での死亡率が高くなり、有効なn数が得られなかったため、死亡率を下げることを次年度への課題とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画ではまずSGAモデルを確立することであったが、妊娠ラットに低タンパク含有食餌を与えることで、新生仔ラットの出生体重を抑制することができた。また出生仔ラットの生後栄養摂取量に差が出るように母ラット1匹に対して7匹と14匹に分けて飼育する実験は平成26年度の計画に盛り込まれているが、すでに平成25年度に一部実施して、各群間の体重増加、網膜血管発達、血清・網膜IGF-1濃度の評価を行った。 未熟児網膜症(Oxygen induced retinopathy)ラットの作製では20%群のラットは実験計画通り生後18日目のデータが得られたものの、10%群では死亡率が高く、得られたデータが少なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
酸素負荷ラットを飼育する際に、特に10%群での死亡率を低下させるため、出産後の母ラットに与える食餌を20%蛋白含有食に戻す。 酸素負荷のモデルは世界的に広く用いられている50%/10%酸素負荷モデルを作製する。 より臨床的な治療法として外因性IGF-1投与による積極的な体重増加を促進できるかどうか検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度はほぼ予算どおりの支出であった。試薬や実験動物などの物品費を若干抑えた結果が、約10万円の繰越となった。 繰越金は次年度の物品費に当てる予定である。
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Research Products
(2 results)